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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/07/02)
10・28 フェイラと人間性

10・28 フェイラと人間性 (2013/10/28)  サンパウロの初夏はきそうでなかなか来ない。雨が降ったり止んだりの肌寒い天気が続く。雨の止んだ合間を縫ってフェイラに果物をかいに行った。
 いつも買う所のスイカが2週間前に比べ2レアルも高くなり、7レアルになっている。一挙に30%も急にあげるのはちょっとひどい。雇われた売り子に文句を言ってもしょうがないと解りつつも、「2レアルも高くなったの!」といいながら4分の1のスイカを2つ分のお金14レアルを渡す。すると、売り子がこっそり2レアル札を返してくれた。この売り子のおじさんは前から顔見知りだが、他の売り子とはちがい、いつも遠慮がちで決して無理にうりつけたりしたことがなかった。喋り方も丁寧だし、おそらく以前は銀行員でもやっていたのではないだろうか?
 また雨が降り出し、近くのテントに飛び込んだ。そのテントの売り子が生意気な12,13歳ほどのガキで「シーナ、シーナ(中国人、中国人)」と僕の顔を見ると呼ぶ。その呼び方にしょうしょうむっとしたので「ジャポネスだよ」というと、ニタニタ笑いながら「ケッケッ、ジャッパ、ジャッパ(日本人の蔑称)」という、そのガキの横にいた若者に「このガキは礼儀をしらないね。教育しないとダメだよ」というと、若者はちょっと恥ずかしそうに下を向いた。もしかしたらこのガキはこのテントのオーナーの子供かもしれない。フェイラ(青空市)のような荒い大人の世界にいれば、口が悪くなるのも解らないでもないが、大人に、それも客に、からかったような口をきくのは別の問題である。いい年をしたオッサンがガキを相手に怒るのもみっともないのでさっさとその場を離れた。
 以前、フェイラに行くのを一時止めたことがあった。フェイラの売り子が、しつこく無理に売りつけようとしたり、質の良い品は隠しておいてお得意の人間にしか売らなかったり、礼儀をわきまえない人間が多いからである。来ている客も、ちょっと当たっただけで声高に文句をいったり、逆にあたってきたり、たかだかフェイラの買い物で頭に来ることが多かったので行くのを止めたのだ。今いっているアパートのすぐの新しくできたフェイラは以前行っていたフェイラに比べると売り子も商品の質も随分マシである。
 田舎のフェイラなどに行っても売り子は荒っぽいが、荒っぽさの中にも愛嬌が感じられ、いいよ、いいよという気持ちになるが、サンパウロの質の悪いフェイラでは、少しでも金をとってやろうという、売り子の気持ちがミエミエのうえしつこいので、ついカッカしてしまう。彼らをヒョイとかわす技というか人間の器が備わってないので正面から受けてしまうからダメなのだろう。僕の知り合いに、偉そうにいわれたり、嫌な事を言われたりしても、ヒョイとかわし、相手を自分の土俵にあげてケムにまいてしまう人がいる。彼は、相手を怒らすようなことも平気で言うのだが、最後には相手を笑わしてしまう。そんな様子を見ていると、うまいな~と感心する。彼のような応対技術をみにつけたいなと思うが、まだまだ人間のできていない僕にはなかなか難しい。


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