12・2 喜んでもらえる良い写真 (2013/12/03)
知人に頼まれて先日カラオケ教室の発表会の写真を撮った。朝9時からほとんど撮りっぱなしで午後4時まで約100人。買ったばかりの80~400ミリの最新望遠レンズの威力は凄まじく、なかなかのできだったと思っていた。機器だけでなく、光の具合、表情、手の入り具合まで気を使って撮ったから、自分で見ても、そこそこ納得できる写真は結構あった。 紙焼きされたものを見ても、まあまあいっているじゃん、と思ってみていたが、知人が言うには「みんな表情が硬いものばかりだから、もう少し、歌っていない適当な表情も欲しかった」とのこと。確かに気持ちも解らないでもない。普段自分の顔を見るときは、自分の表情で一番いい表情、好きな部位を鏡で見ているわけだし、普通時の自分の表情がどんなものか知らない。ましてや、歌っている時の感情を込めた表情なんてなかなか自分で見る機会なぞない。大多数の人が、自分はこんな顔で歌っていたのかとがっかりしたのかもしれない。 そいうことはある程度解っているつもりだったので、緊張する歌い始めは遠目、2小節目に入って大分余裕がでてきたところでアップ、さらに、あまり力が入っていず、見苦しくない表情を狙ったつもりだったが、それでも写された本人たちはあまりきにいらなかったようだ。本人以外の人が見たら良く撮れていると見てくれると思うのだが・・・・??? かなり細かなとこまで、一人一人気を配って撮っただけに、喜んでもらえなかったのは、非常にがっかりしてしまった。 「もうちょっと適当にとってくれればよかったよ」と言われてもやはり適当には撮れない。それをやると自分の今後の撮影がダメになるから。でも、もう少しいろんなシーンを撮れれば良かったかもしれない、とは思う。しかし、カラオケの発表会だから歌っているところが一番肝心だと思うし・・・。普段その人がどういう表情をしているのか解らないだけに、柔らかな表情を、と言われてもなかなか難しい。 僕は、歌っている表情で一番良い表情を撮ったつもりであるが、撮られた本人たちは歌っていようが、いまいが関係なく、自分一番がきれいに写っている写真が欲しかったのだろう。僕が、仕事と割り切り、皆の喜ぶ表情のみ撮ることに徹知ればよかったのかもしれない。しかし、そうすると面白くないし・・・。本人が気に入ってなくてもいい写真というのは当然ある訳だし・・・、そんなことを考えていると、つくづく本人に気に入られる良い写真を撮ることは難しいと思う。僕自身としては良い写真を撮りたいのだが、仕事として人の写真を撮るときは、やはり喜んでもらえる写真に重点を置くべきであった。
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