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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
12・12 悲しいアロワナ

12・12 悲しいアロワナ (2013/12/12) 「アロワナが入荷するから!」
 前々から、アロワナをまた飼いたいと思っていたので入荷が待ち遠しくて仕方がなかった。待ちに待ったその日、熱帯魚店に行くと4匹の5センチほどのシルバーアロワナが小さな水槽の中でヒョロヒョロと泳いでいた。値段を聞くと180レアル(約7500円)。もう35年以上も魚を飼い続けてきたからマニアと言われてもいいと思うが、今の僕の財政状態では5センチのアロワナに7500円(ブラジルの感覚だと18000円)もつぎ込むほど余裕はない。日本だとこの大きさなら1000~2000円ほどで買えると思うととても飼う気にはならない。あっさり諦めた。あまりにも高すぎてその気も起らない。
 しばらく元気に泳ぐ姿を見ていて、ふと気づいた。確か、アロワナを含め多くの野生の動植物はブラジルでは販売禁止である。今僕が飼っているツクナレにしろ、ピララーラにしろ国内で養殖されたものである。アロワナはブラジルで養殖されているとは聞いたことがない。もっともミナス方面で、養殖とまではいかないがほそぼそと稚魚をとって恐ろしく高い値段で販売しているという話は聞いたことがある。
 店の顔なじみの売り子に、このアロワナはどこから来たのか聞いてみた。
「アジアの方で養殖したものだよ」と素っ気なく答えた。
 なるほど、だから高かったのだ! しかし、ブラジル原産の魚を買うのに、アジアで養殖されたモノを割高で買わなければならないなんてなんとも寂しい。もっとも野生ものはディスカスなどの一部を除いて売買捕獲禁止なのだから仕方がない。
 リベルダーデのペットショップのおっちゃんに言わせると、熱帯魚マニアのブラジル人はごくわずかしかいないから、とても熱帯魚だけを売って店を経営していくことはできないらしい。そういう現実をみると今後もアロワナが養殖されて国内で販売されることはないだろう。アロワナはもう僕の手の届く魚ではなくなってしまった。悲しい~。


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