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     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
12・19 橋の上のセンテット [画像を表示]

12・19 橋の上のセンテット (2013/12/20) ヴィアヅッツ・デ・シャ、日本語直訳お茶の(水)橋の上に、突如、300あまりの簡易テントが今週の初めに出現した。何のデモンストレーションかと思い、近寄って垂れ幕を見ると「家賃が高く、住む場所がない。血も涙もないのか! ハダジ(現サンパウロ市長)住む場所を提供しろ!」というようなことが書かれてあった。いわゆるセン・テット(家なし住民)の抗議運動のようだ。テントを見ると、どれも真新しいので、恐らく、現市長の反対勢力がこのテントを提供して、抗議運動をけしかけているのだろう。
確かに、彼らが言うように、サンパウロの家賃は高い。今、セントロ付近では安くても1DKで800~1200レアル(3万6000円~5万3000円)ほどするのではないだろうか。さらに管理費などがかかるから最低でも1200レアルほどかかる。今、裁定給与が680レアルほどであるから、最低給与しかもらっていない人は家賃さえも払えない。聞くところによると、1DKのアパートを2,3家族で借りて住んでいる人もいるという。夫婦だけでなく子供もいるだろうから、1部屋に10人ちかくが住んでいることになる。サンパウロ市内から離れれば恐らくもっと安いはずである。しかし、ファベーラの小屋でも200~300レアルすると聞いたことがあるから、そんなに安いとは思えない。
ちなみに、今多くの日本人が住むジャルジン・パウリスタの高級住宅地は最低でも7000レアルはするらしい。住宅が安い時期に、この地区のアパートを買っておけば、今頃左団扇で暮らせただろうに・・・。
僕の場合は、まだ住宅が安い時期に、たまたままとまったお金を用意することができたので自分のアパートを買った。当時300万円ほどだったと思う。毎年上がる家賃にうんざりしたことと熱帯魚と犬を飼いたくて買ったのだ。親にも泣きついてやっとのことで買ったのだが、買っておいて本当に良かった。もしアパートがなければ、今頃は日本に帰っていると思う。もっとも、日本に帰っていた方が今頃はもっとまともな生活をしていたかもしれないが・・・。
テントが出現してかれこれ1週間になるが、いつもでこの抗議運動は続くのか? テントに居続ける人たちも大変だろうが、せまい橋の上にいっぱいのテントが立っていて、通行する人間にも邪魔である。裏で、センテットの人々を扇動し政治活動に利用する政治家が腹立たしい。見ていると、子供ずれの家族も多い。橋の上の小さなテントで子供たちがクリスマスを過ごすのはかわいそう過ぎる。

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テントノ間ヲ縫うようにして歩く人々


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