1・5靴 (2014/01/05)
ピニェイロス区の骨董市で、靴磨きのおじさんとすれ違った。 僕の顔を見た後、靴を見て、何もいわずに通り過ぎて行ってしまった。おそらくあまりに靴が汚すぎて、声をかけることさえも諦めたのだろう。最近は、スニーカーを履く人が増えたので、靴磨きは革靴を履いている人を見るとたいてい声をかける。 僕の履いている靴は、いわゆる革のワーキングシューズで、ほぼ毎日履き続け、今まで1度も磨いたことがない。毎日、歩くので、靴底ノゴムはすり減り穴が開き、雨の日には水が入る。そのうえ、靴先は革がこすれ色が変わっている。もう、こんなボロボロの靴は磨きようがない、と諦めたのか? 磨き代さえ払うことができないだろう、と思われたのだろう。 僕はスニーカーが嫌いで、ブラジルにきてからも、ずっと革のワーキングシューズを履き続けている。ナイキやミズノなどのメーカーもののスニーカーに比べると値段も安いし丈夫である。しばらくブラジル製のWEST COASTというメーカーを履いていたのだが、靴底のゴムの部分が弱く、すぐすり減るのでALBALUSというメーカーに変えた。このメーカーは初めて使ったのだが、履き心地はイマイチで最初は気に入らなかった。しかし、使っていると徐々に愛着がわいてきた。そのうえ、靴底が強くなかなか減らない。毎日、街を歩き回る僕にはピッタリなのだ。 ネットで調べると、このメーカーはバイクブーツやトレッキングシューズを作っているらしい。僕の履いている靴も実はトレッキングシューズだった。値段も以前僕のはいていたものと比べると安いし、すっかり気に入ったのだが、なかなか靴屋でみかけない。一度みかけたが、いつでもあるだろうと思い買わずにいたら、次に行ったときにはなくなっていた。それで仕方がなく、靴底に 穴が開いた、ボロボロになった靴を未だに履き続けている。 ブラジル人は結構、靴ヤ服装に気にする人々だから、僕の靴を見てあきれているようだ。ヘタをすると、あまりの汚さから路上の人と思われているかもしれない。エレベーターで乗り合わせた住人が呆れた顔で僕の顔をマジマジと見たことがあった。靴が汚かったり、服が汚たなかったりすると、レストランなどでバカにした扱いを受けることがある。そんな扱いを受けるとやっぱり腹が立つから、探して早く新しい靴を買った方が良さそうだ。
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