移民百年祭 Site map 移民史 翻訳
南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
3・21 誕生日

3・21 誕生日 (2014/03/22)  息子が17歳の誕生日を迎えた。
思春期と言うこともあり、数度激しくぶつかり話もしなくなっていた。その後、ますます彼は精神的に不安定になり荒れ、母親から、なんとかしてあげて欲しいと頼まれた。麻薬に手をだしたり、事件でも起こされたりしても困るので、すこしずつ話すように心がけていたが、ぎくしゃくした関係が続いていた。「彼の人生だから、人に迷惑をかけたりしなければ、彼の好きなようなすればいい」と思い、余計なことは言わず、傍からみているようにしていた。、誕生日のお祝いに、何か食べに行ってもいいし、その分のお金をあげてもいいということにして、彼に好きに選ばした。「お金が欲しい」とてっきりいうかと思っていた。しかし、意外にも「食べに連れて行ってくれ」という返事だったので驚いた。
僕は、あまり、父親らしいことはしないくせに厳しい父親である。僕の父は、反対で、まったく厳しいところがなく、ほとんど何も言わず僕の好きなようにさせてくれた。そのあげくがブラジルまで息子が行ってしまい、父としては随分と寂しい思いをしたと思う。それに比べ僕はどちらかというと頭ごなしに息子を従わすタイプの父親だから、息子はそんな僕に反感を持っているト思う。それでも意外に素直に僕の言うことに対して聞く耳を持っているようなので、ちょっと驚いてしまう。
なんでも話ができ、頼りになる父を、息子が欲していることは前々から気が付いていたが、僕はどうもそんな父親にはなれない。知っていてそうしないのは罪であると思うし、我を通す自分が嫌になるが仕方がない。人間の器が小さいのだ。
こうして考えると、父にも息子にも、僕は我を通して生きてきたのだ。そう思うとちょっと憂鬱になる。


前のページへ / 上へ / 次のページへ

楮佐古晶章 :  
E-mail: Click here
© Copyright 2024 楮佐古晶章. All rights reserved.