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     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/03/28)
4・7Wカップスタジアムの現状(4・4記)

4・7Wカップスタジアムの現状(4・4記) (2014/04/08)  Wカップまで70日を切ったにもかかわらず、未だに開会式が行われるスタジアムが完成していない。果たして、無事Wカップはできるのであろうか?
FIFAは、各地の開催スタジアム完成の遅延につぐ遅延にあきれ果て「ブラジルWカップは史上最悪の大会だ」と嘆いている。前回の南アフリカの大会でさえ、前年に試験を兼ねて行われるコンフィデラソン杯までにはすべてのスタジアムが完成していた。それにもかかわらず、今回のブラジル大会は未だにスタジアムが完成していないところがあるのだから、FIFAが嘆くのも無理はない。
4月1日にはクイヤバのパンタナール・スタジアムが落成され、初の試合が行われた。遅れていたスタジアムだけに完成にほっと一息というところだが、トイレや売店などの内部施設、スタジアムまでの交通機関など細かな点はまだまだ整備されておらず、観客や選手からは文句があがった。
ポルト・アレグレのベイラ・リオ・スタジアムはなんとか完成したものの、完成が遅延したために、工事費がかさみにかさみ、誰がお金を払うのか問題になった。先週ポルト・アレグレ市の広報が「ポルト・アレグレはW杯会場から外れることになるだろう」との声明をだした。そして結局、ブラジル政府は強硬な市の圧力に屈し(予想通りであるが)政府が資金=国民の税金をだすことを決定したと発表された。
 今、一番問題なのが、開会式が行われる、アレーナ・デ・サンパウロ・スタジアムである。先日、工事中に3人目の死亡者が出て、4月3日の段階ではまだ工事再開の許可がおりていない。事故死亡者はほとんど工事の経験もない若者で、休みもなく昼飯も食べる暇もなしに、に働いていたらしい。今日(4月3日)のテレビのニュースではほとんど取り上げられることさえもなかった。もしかしたら、政府が事故ニュースを流さないようにテレビ局に対してストップをかけているのかもしれない?
事故だけでなく、開催中の報道センターなどの開催時に必要な施設建設費用の面でももめている。FIFAの規則ではこのスタジアムをホームとするクラブが支払わなければならないとの規定があるのだが、突然ホーム予定のクラブ、コリンチャンスが払えないと言い出したのだ。さらに、検察当局が、スタジアムの耐火性と出入り口の安全性向上を要求しており、修正しなければスタジアムの一部閉鎖といった対応も辞さない、強硬な態度をとっている。今月中旬の完成が見込まれていたが、今日4月3日(4月5日の現在も再開のメドは立っていない)の時点では未だ工事再開はされていない。次から次へと問題が噴出していることを考えても、とても予定通りの完成は無理だろう? 建築関係の専門家に「果たしてスタジアムはできるのか?」と聞くと「2か月あれば、なんとかは箱となる部分はできるでしょうが、内部の施設面まではなかなか手が回らないでしょう」とのことであった。いったい、開会式はどうなるのだろう。ブラジルの恥を全世界にさらすことになるのだろうか?? 
 なぜブラジルのスタジアムがこれほど遅延してしまったのか? 原因の70%は、政治家や資本家などの汚職贈賄である。遅れて工事費がかさんでも、結局は政府がお金をだすと各地の政治家や投資家は目論んで,砂糖に群がる蟻のように建設資金に群がったのだ。遅れれば遅れるほど建設費はかさみ、それだけ政治家や投資家の懐にお金が入る訳である。ちなみにアレーナ・デ・サンパウロ・スタジアムの工事費は当初の予定の約2.5倍に膨れ上がった。他のスタジアムも同様で、予定の建設費の数倍にも膨らんでいる。
残りの原因は、天候などを全く考慮していなかったこと。工事現場で働く人々のほとんどが経験も技術もなかったこと。建築技師などのレベルが低いこと。そしてブラジル人特有の読みの甘さ、「最終的には開催までにできるさ」という甘い考えがあったからだと思う。確かに、ブラジル人はギリギリに追い込まれるといわゆる火事場のクソ力的な力を発揮する。しかし、カーニバルの山車程度のものならなんとかなるかもしれないが、数万人収容の巨大な球場となるとそうはいかない。考えが甘すぎたのだ。どこのスタジアムも急ごしらえで、安全面の検査も遅延により甘くなっていると思われる。数万人の観客が入ればどうなるのか、心配なところである。
世界から訪れる観客が増大することを見越して、サンパウロのガリューロス国際空港を筆頭に開催会場となる各地の国際空港は拡張工事や改装工事が行われている。しかし、終了しているところは現時点ではない。さらに町からスタジアムまでの交通機関や、スタジアムの駐車場などの施設もほとんどできていない状態である。
治安の面でも多くの問題がある。リオ・デ・ジャネイロ市は空港から市内へ行く途中のファベーラ(スラム街)の麻薬組織や強盗団の一掃を行い、150人近くを逮捕し、死亡者も出た。Wカップが終了するまで警官が駐留することとなっている。期間中に大規模なデモが行われるとの噂もある。こうやって考えていると本当に問題ばかりである。なんとか、大きな事故もなく成功裏に大会が終わってくれることを祈りたい。

追記
今朝のニュースを見ていて笑った。
「Wカップまでに、スタジアムができるかどうかは、解らないよ! 宝クジを買う・・・」
 とサンパウロ・デ・アリーナの工事責任者のコメントがテレビで流れたのだ。最後の言葉が気にかかるが、途中、聞き逃してしまった。「ようなものさ」と言ったのか??? 責任者がこんなことを言うということはやはり間に合わないということか? (4月5日)


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