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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
5・8 Wカップ後の不安 [画像を表示]

5・8 Wカップ後の不安 (2014/05/08)  どうも風邪がよくならない。夕方などは、少し熱っぽい。「デング熱の症状の特徴は、突然の発熱、頭痛(一般的に目の奥の痛み)、筋肉や関節の痛み、発疹である。発熱期には、40 °C以上の高熱が出ることがよくあり、全身の痛みや頭痛を伴う。通常、このような症状が2~7日続く」とあるので、デングではないと思うのだが、なんとなく症状が似ていないこともない。少し心配ではあるが、恐らく単なる風邪と思っている。

 テレビを見ていると、昨日、今日はデモやストが多発している。リオやサンパウロ近郊でバスの賃上げ要求ストがされているし、サンパウロのスタジアムから3キロ地点では土地を占拠して、2500人がテントや仮小屋を作って抗議を行っている。賃上げは40%を要求し、土地の占拠はスタジアムができて土地が高騰し家賃があがったので、それを補償しろというものだ。
 どちらもWカップも開催を睨んだ抗議で、実際賃上げは20%ほどを狙っているのだろうが、もし、政府がこの賃上げを許せば、バス料金の値上げが行われ、去年のような大規模デモに発展する可能性もある。土地占拠も、ここで補償を行えば、最近活発化しているセンテット(屋根なし住民)のデモがさらに激化すると思う。多分、どちらも要求通りとはならないものの、要求は通るのではないだろうか? 政府や議員にしてもWカップ後に選挙が控えているだけに、国民市民にいいかっこをみせたいし、Wカップにブラジルの恥部を世界にさらす前に解決しようとするだろう。しかし、ここで許すと、「今がゴネドク」ということで、公共の交通機関や銀行、はては警察が雪崩のごとく次々と賃上げ要求ストを行い収集がつかなくなるのではないだろうか。
 ブラジル人は利己的な国民である。その最たる人々がブラジルの政治家である。一般国民の年金値上げ要求には10%あげるだけでも文句をいうのに、自分達の給料は平気で100%以上上げ、さらに横領に贈賄やり放題、問題が発覚しても、「これ以上追及すると他の政治家のこともバラぞ」と言って罪を逃げるような人々である。そんな超利己的な政治家たちばかりのこの国でWカップやオリンピックをやるのは無理だったのである。今更遅いが・・・。
 政治家たちはWカップを通り過ぎて、もうWカップ後の選挙の方に目が向いているようだし、ブラジルはいったいどうなるのだろう。コンフィデラソン・カップで、ヤジをさんざん浴びて退席をよぎなくされたジウマ大統領はWカップの開催式に参加しないようなことを言っているらしい。もしこれが本当なら、世界的なイベントに国の長が参加しないなんて本当に情けない。どこの会場もなんとか間に合いそうだし、ほぼ開催されることが決まったWカップのことを、本番に山のように出てくる問題や批判を政治家はもう忘れているようだ。あくまでも僕の印象であるが、政治家たちはすでにWカップにはできるだけ触りたくないようだし、責任を負うことをできるだけ避けているような感じを受ける。国の第一責任者の大統領でさえにもそんな感じがする。
 国民はかさにかかって賃上げ要求をし、政治家たちはW杯の責任を逃れ、いい恰好をしようとし、物価はあがる一方だ。治安はどんどん悪くなり、住んでいる身にとってWカップ後のブラジルが不安である。単なる僕の心配で終わればいいが・・・。

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