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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
5・9 警官も安心できない国

5・9 警官も安心できない国 (2014/05/09)  横断歩道を渡っていると、ちょうど赤に変わり、中央分離帯で信号が青になるのをまつことになった。先にいた警官二人は背中をくっつけ合って、一人は後ろを向き、もうひとりは前を向いて話をしている。最初、交通違反の車でもみているのかと思っていたが、なんとなく違うようである。信号が変わると、後ろを向いていた警官ももう一人の警官と歩き始めた。もしかしたら、いつ襲撃を受けても大丈夫なように、ああしていたのかもしれない。
 この頃、毎日のように警官が殺害されるニュースをみる。驚くべきことに、警察署でさも襲撃されているのだ。先日も襲撃を受け、居合わせた警官と一般人が死んだ。もう、最近は警察とあろうと平気で狙ってくるのだ。警察官も家族や自分の身を守るために、近所の人々には、警官といわずに別の職業だといっている人も多いらしい。
 これほど、警官の死傷者が出るようになったのも、銃器と麻薬の氾濫に原因があると思う。以前はそれほど簡単には銃器が手に入らなかったようだが、今や未成年の自動車強盗や携帯強盗でさえ持っているのだから、意外に簡単に手に入るのではないだろうか。不思議なことに、政府が銃の規制に対してほとんど何もコメントしていない。さらに、未成年は誰を殺そうと罪にならないので、犯罪を繰り返した未成年は警官であろうと平気だ。麻薬にはまった未成年は麻薬欲しさに犯罪を繰りかえし、人を殺すことも意に介さなくなるのだろう。銃と麻薬があれば、何も怖くなくなるのではないだろうか?
 もうひとつ不思議なことであるが、国民の80%以上が望んでいるにもかかわらず、政治家は未成年が犯罪を起こしても罪にならないという法を変えようとしない。今まで何度か改正の法案がでたが、いつも却下される。しかし、もし、政治家やその家族が未成年に殺害される事件が続けば、政治家たちは急いで法を変えようとするだろう。
 ブラジルがよくならないのは、超利己的で私腹を肥やすことしか考えていない政治家のせいだろう。この国のことを本当に思う政治家は出ないのだろうか? もっともどこの国の政治家も50歩100歩ではあるが・・・。


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