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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2020/07/07)
6・8マルシャ [画像を表示]

6・8マルシャ (2014/06/07)  「マルシャ」と呼ばれる、新教宗教エヴァンジェリコの大集会行進が行われた。大通りを埋め尽くすほどの人々が集まる大掛かりなもので、恐らく数万人が集まっていたと思う。大通りの先にある歩道橋から写真を撮りたくて前ヘ前へト急ぐ。しかし、気は焦るものの、あまりの人に速足で歩くこともままならずいらいらさせられる。途中で横道に入り、やっと目的の歩道橋についた。急いで上に上がっていると、日本人? らしきバックパッカー風の青年が警察に留められて何か聞かれていた。彼はほとんどポ語を話せないようで、カタコトのスペイン語を話しているようである。一瞬手助けしようかと思ったが、この歩道橋は、エヴァンジェリコの人間と警察によって封鎖されていた。恐らく、歩道橋上から、何かを投げられていることを恐れて、一般人の通行を禁じていたのだと思う。もし、ここで僕が何か言うと、僕まで止められる可能性が十分あった。大型の一眼レフを持っていたので何も言われずに通れそうだったが、もし、あなたの身分証明書は? と聞かれたら記者としての身分証明書も許可書も持っていなかったので、同様に咎められるのが怖かった。このままほおっておいても、彼はせいぜい、この歩道橋の上から行進を見られないだけである。彼には悪かったが、そのまま、通り過ぎた。
 歩道橋から見る人々は思っていた以上の数であった。大通りにびっしりと集まった人々の流れが数キロ続く行進であった。カーニバルでも、ゲイパレードでもこれほどの人は集まらない。トリオエレトリコ(スピーカーを満載したトラック)からノリの良い流行音楽が流れると手を振り上げ身体全体で踊り、賛美歌風の音楽が流れると、皆で合唱する。そして最後は「アーメン」という合言葉で祈る。これが何度も繰り返される。ノリはカーニバル以上、幼児からお年寄りまで老若男女が、黒人も白人も、貧乏人もお金持ちも(圧倒的少ないだろうが)一緒に行進する。これだけ歌って踊れば、すっきりするだろう。辛いことも、悲しいことも、この行進中は忘れさり、後には爽快感さえ残るだろう。まさに宗教の真骨頂という気がする。
 写真を撮っていると、「その望遠レンズ貸してくれないか」と、横にいた、真新しいニコンのD3(5年ほど前に発売されたプロ用カメラ)を持った男が聞いてきた。
「10万以上するレンズを知らない人間に貸す訳ないだろう」と思いながら「貸す気はない」と答えた。僕のあまりにはっきりした言い方にちょっと彼はたじろいたようだった。もう少し柔らかに断ればよかったかな、と少し反省。僕自身も、この行進を撮っていて自分の知らぬ間に興奮していたのかもしれない。
 これほどたくさんの熱心な信者がいるのだったら、もう少しブラジルは良い国になりそうなものだが・・・・。でも、考えてみれば、病んでいる国だからこそ、これほどたくさんの人々が宗教にすがるのだろう。

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