今日は朝から、応援用の鳴り物が鳴り響いている。テレビを付けても応援の用意が、いたるところですっかり万端になっていると告げているし、今日の試合にかけるブラジル人のいきごみが感じられる。 　Ｗ杯開催直前まで冷め切っていた様子が嘘のようである。やはり直前までメトロ・ストが続いたことで、サンパウロ市民は通勤の心配が気になってＷ杯どころではなかったのだろう。メトロ・ストが中断して、やっとＷ杯気分になった感じがする。 　サンパウロのセントロを歩いている限りでは思っていたほどの外国人観光客を見かけないが、友人のスチュワーデスによると、先日も100人の韓国人応援団がサンパウロに向かったらしいし、世界中からかなりの数の観光客がきていそうだ。会場がブラジル各地に散らばっているために観光客をそれほど見ないだけなのであろう。 　チリやアルゼンチンなどの近隣諸国の応援客は、車やキャンピングカーで来る人も多ようだ。こうした人々は滞在費を削るために、テント生活をしたり、バスターミナルや空港で夜を過ごしたりする人もいるらしい。そのためか？　ホテルの空室や、地方行の飛行機の空席さえあると聞く。このときとばかりに、料金を通常の2倍3倍に上げたという情報が世界中に流れていたのだろう。ブラジル人のがめつさが世界中に広まった形だ。もっとも、外国資本の企業もあるわけだから必ずしもブラジル人だけが、がめついとはいえないだろうが、世界の人はそうは思わないだろう。東京オリンピックではこんなことにならないように願いたい。

前のページへ / 上へ / 次のページへ