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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
6・25 管理社会 [画像を表示]

6・25 管理社会 (2014/06/25)  予想通り、観戦場の管理が厳しくなり、応援場に入っての撮影はダメだという。登録もし、許可も得て撮影していたところ、会場係の管理の女性が「ここで写真をとっちゃだめなのよ。ここでとる時には付き添いがひつようなの!」まるで勝ち誇ったように僕にいってきた。
 この中で写真を撮ったらだめだ、という説明も聞いていないし、数人のカメラマンが撮っている。しかし、周囲を見るとそうしたカメラマンはいなくなっていた。隠れたのか、僕と同じように注意され、帰ってしまったのか? この女の言うエリアというのは、観戦場の横にあたる場所にあり、とても良い写真は撮れる場所ではなかった。おそらくビデオや写真を撮ることは何も考えずに、とりあえず作っておけ、という感じで付けたしのように作ったのであろう。
 説明するのも、文句をいうのも急に面倒くさくなってしまい、自分の中で撮る気が急激に失せて行くのが解った。ウルグアイの試合も2分ほどを残すのみだし、今までさんざん写真を撮ってきたし、こうなることは、ある程度予測していたので何も言わず帰ることにした。
 ここ数日、TVクルーやカメラマンがぐっと減っていておかしいなと思っていた。てっきりスタジアムにでも行って少なくなっていると思っていたのだが、かならずしもそうではなく、あの女のような係りが、マスコミ狩りをしていたからだ。僕自身はそんなに邪魔になるような撮り方はしていなかったし、撮る前にはかならず許可を得ていたが、もしかしたら、マスコミ関係の人間と観客の間に問題があったのかもしれない。
 初日には、プレスが入る出入り口で、もう一杯で入ることはできないと、拒否された。「私は、ここの入り口で言われたように、入場を管理しているだけで、どうすることもできないわ」と係の女性。この時は何とか入れて欲しいと頼んだが、2重3重に管理されていて、見ると、入り口で入れても結局中には入れそうにはなかった。それ以来、プレスの入り口からは入らず、普通の人々の入り口から入っていたので、今まで気が付かなかったのだ。今日で撮りおさめにするのは、それほど残念なことではなかったが、ただ、あの女の勝ち誇ったような態度が、苦い薬を飲んだようにずっと脳裏に残った。おそらく自分ではそれほど感じていないつもりではあったが、心の奥底部分で腹を立てていたのだろう。
 コンピューターがいたるところに導入されるようになり、ブラジルはなんでも管理、管理になってきた。きちんと、いろんなことを見越して、より便利になるように管理するのなら、それも仕方がないと思うが、ブラジルの場合は、とりあえず管理しようという感じしかないので、あとあと問題が発生する。たとえば、W杯のチケット管理も最初は自分の名前の入ったモノしか使えないはずであったのに、今はそんなことおかまいなしに入場を許可している。そのため、10万円、20万円、それ以上でチケットを売ろうとする、ブラジル人のみならず外国人、はては日本人のダフ屋まで出現している。
 町中には監視カメラだらけ、個人情報の管理、極悪の治安、外国人もびっくりの高い物価(W杯に関係なく)本当にブラジルは住みづらい国になってきた。W杯後ブラジルはどうなるのだろう。

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ウルグアイの応援する人々。たぶんもう観戦場には行かない。


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