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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
8・7 サンパウロのアフリカ人

8・7 サンパウロのアフリカ人 (2014/08/06)  日本で、アフリカ出身のアーティストの現代アート展を見た。まったく期待していなかったせいかもしれないが、面白くてびっくりした。ペットボトルや、汚く汚れた人形など、ゴミで作った作品群だった。それが何とも言えぬ迫力があり、もっと見たいと思っていた。  ちょうどMASP美術館で、「アフリカの心」というようなテーマで展示会が行われていたので見に行った。現代アートではなく、民族舞踏や日常的に飾られている木彫の作品展であった。期待したような作品展ではなかったので、しょうしょうがっかりしたが、貝殻を数珠のようにつないだ輪の中心に男女の木彫りがある作品に非常に惹かれた。貝殻は土? が付き汚れて、中心の木彫りも薄汚くボロボロではあったが、そこがまた妙な迫力を生んでいた。日本で見た作品展もそうだが、アフリカ人の作品には、暗の迫力、底深いアフリカ大陸を感じる。
 最近、サンパウロには出稼ぎや、麻薬の密売人、商品の買い付けに来たアフリカ人を見かけるようになった。たいてい彼らは、二人以上であるいており、1人で歩いているのをみることは滅多にない。僕から見れば、背が高く、真っ黒な肌をした、あまり笑顔を見せないアフリカ人の方が怖そうに見えるが、彼らにしてみればブラジル人が危なそうに見えるのかもしれない。ブラジル人が嫌う3K仕事がけっこうあるらしく、ブラジル人以上に真面目に働くので重宝されているらしい。早朝の散歩で、仕事場に向かう彼らとよく遭う。ビザなしで居続けているアフリカ人が多いので、雇い主の中には、登録もせずに安い賃金で雇っている人もいるだろう。先月のWカップで応援中の写真を撮ってもいいかと聞くと、決まって皆固い顔をして断ってきた。ビザ切れで捕まるのをおそれているのだ。
セントロにはアフリカ人が溜まるビルがあり、散髪屋からアフリカ料理の食堂までがごちゃごちゃと営業をしている。何度か行ったことがあるが、その度に冷たい警戒色のある目で、「何しに来たんだ! お前がくるようなところではないよ」と言う感じで見られるので最近はあまり行かなくなった。しかし、以前は麻薬運び人のアフリカ人が多かったが、この頃は普通に働きに来たアフリカ人が増えてきたので、このビルの雰囲気も変わったかもしれない。今度行ってみよう、と思っている。


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