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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
8・14セ広場のトカゲ男 [画像を表示]

8・14セ広場のトカゲ男 (2014/08/14)  寒い! 朝の散歩で犬のリードを持つ手もかじかむ。こんなことはしばらくなかったように思う。
 セントロで写真を撮りながらセ広場に着いた。今日は300mmの長いレンズを持ってきていたので、バス停で寒そうに待つ人たちの写真を撮っていた。撮り終えて、レンズを交換していると、路上生活者らしい丸顔の、中年の男が近寄ってきた。自分を撮れというようなことを言う。おっ、それもいいかも! と一瞬思ったが、こういう手合いは「金くれ、金くれ」と煩いので辞めた。そのまま無視して歩きはじめると、後ろから「カメラを盗るぞ! こら逃げるな!!」と言っておいかけてきた。麻薬か酒を飲んで、少し飛んでいるような感じである。30mほど先に警官がいることを既に知っていたのでそちらの方に、足を速めることも無く向かった。4mほど言ったところで、「警官がいるから辞めた!」という声がした。いちいち声に出して言うこと自体がおかしい。精神的にもイカれているのだろう。
そのまま気にせず広場を出て、横断歩道で信号が青に変わるのを待っていた。ふっと後ろを見ると、先ほどの男が向かってきていた。
「こいつのカメラを盗るのだ」そう言って近寄ってくる。ちょっと離れたところに仲間らしい黒人男がいる。僕が見ると黒人男は「先に行くぞ」と言って行ってしまった。しかしこの中年男はトカゲのようなねっちり執念深そうな顔をして、しつこく近づいてくる。一瞬、殴ってやろうか、と考えた。こんなベロベロっぽい中年ならいくらひ弱な僕でもうち伏せることはできるだろう。そう思ったが、以前、別の男に襲われかけたとき、ナイフを持っていたことを思い出した。このトカゲ男がナイフを持っていないとも限らない。こんなアホは無視して、逃げることにした。しかし、このまま横断歩道を渡れば、警察がいるところはない。それなら警察がたくさんいる広場に引き返した方が安全である。トカゲ男は追ってくるかと思ったが、こなかった。もし追いかけてきたら、応戦する気持ちはできていたので、ちょっと拍子抜けであった。しかし、傷つけられても傷つけても、後味が悪いので、そういうことにならずに良かった。
しかし、このトカゲ男のしつこさには驚いた。奴はセ広場に巣食っているのかもしれない。トカゲ男一人なら、僕でもなんとかなるかもしれないが、他の男をそそのかして数人で襲ってくる可能性は十分ありえる。残念だがセ広場はしばらく行かない方がよさそうである。

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寒いし、小雨は降るし、朝から良いことはない。こういうときはじっとしているのが良い


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