9・3 明るい大道芸青年 (2014/09/03)
陽が落ち暗くなりかかった橋を渡り終えると、ポコポコ音がする。音源に向かって歩いていくと、プラスチックのバケツをドラム替わりに叩いていた。そのまま通り過ぎようとしたが、何故か気にかかり見続けていると、今度は前に置いた板の上でタップダンスを始めた。ホーッ、なかなか面白い。 前に置かれたベバケツにお金を入れて、写真を撮ってもいい? と聞くと笑顔で「いいよいいよ」、と言ってくれた。いい笑顔だ! 久しぶりに、下心のない、気の良いブラジル人に会った感じがした。気の良い田舎の人々は皆、彼のような清々しい笑顔をする。しばらくこんな笑顔を見ていなかったので、久しぶりに親しい友人に会ったような懐かしささえ感じた。 すっかり気分がよくなって、いろいろ聞いていると、タップはまだ始めて3か月らしい。とてもそうは見えない。この23歳の明るい青年と話していると楽しかった。 「君は、明るくて、話しやすいよね」 「あんたもね」 僕はそんなに親しみやすい人間ではないことを自分自身が十分しっている。むしろ初めての人間から見ると嫌な奴だと思うかもしれない。きっと彼の明るさが僕の気持ちを和らげてくれたのだろう。何枚か写真と動画を撮らせてもらった。 「今度明るい時にもう一度撮らせてよ」 「いいよ。じゃあ、またね」彼はにっこり笑いながら軽く手を挙げた 彼の明るい笑顔が、僕の気持ちまで心地よくしてくれた。
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