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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
9・8 人種差別ヤジ [画像を表示]

9・8 人種差別ヤジ (2014/09/08)  白人系ブラジル人が多い南部の町ポルトアレグレでの試合で、黒人系のゴールキーパーに向かって「サル」と、23歳の白人系女性がヤジを飛ばした事件が1週間以上たつのに未だにいろんな事件に尾を引いている。
 この女性は、職を失ったあげく、犯罪者のごとく毎日のようにテレビで顔を大写しで流された。家に石が投げられ、家にも帰れないほどであったらしい。先週、警察で事情聴取が行われ、テレビの会見も行われた。さんざんさらし者にされ、ここまで叩くか! というほどであった。「サル」というヤジを発したことで彼女の人生は暗転した。
「私は人種差別者ではありません。アラーニャごめんなさい。あなたを攻撃するつもりは決してありませんでした。ごめんなさい」泣きながらの会見は、見ていてもかわいそうなほどであった。
 今回のヤジが問題化されたのは、去年ヨーロッパのサッカーの試合で黒人選手に対して「サル」というヤジが飛び交ったり、選手に向かってバナナが投げらたことが問題になったことに起因する。もし、ヨーロッパで問題にならなければ、ブラジルでは問題にならなかったのではないだろうか? 未だに欧米文化を真似て、ブラジルはもうヨーロッパと同じ文化レベルだ、と見せたがるブラジル人の国民性が今回の事件にいたったのではないか? と思う。
 日系人の友達にこの事件について聞いてみた。
「今回の事件は、多くのブラジル人もここまで叩く必要があるのか、と思っている人がたくさんいますよ。ただ、人種差別の問題は非常に繊細な問題なの、誰もいいだせない」
 黒人系の人々が、肌が黒いというだけで、警察に尋問を受けたり、犯罪の疑いを受けたり、差別を受け続けていることは僕も知っているし、僕自身も東洋人だということで差別を受けたことが何度もある。息子も、目がつっている、日本人は不細工だと散々からかわれ、通学するのを嫌がったこともある。人種差別されると、それはそれは悔しいものだということを、身を持って知っている。しかし、これだけ反省し、人生が変わるような罰を受けた女性を、もう許してやっても良いのではないだろうか? よってたかって叩くマスコミを見ているとむしろ腹立たしい。

 友人に聞いてみた。
「もし、黒人が白人に向かって白豚! ってヤジも飛ばせば、これも人種差別になるんですかね?」
「ブラジルには白人に対する人種差別はありませんから」

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街路樹も芽吹き始めた。もう春


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