9・19ブーイング (2014/09/19)
「試合中に人種差別のヤジを飛ばされて心が痛かった」 と語ったサントスのゴールキーパー、アラーニャ。試合中に審判にまで訴えた。 大声で「サル」とヤジる様子を大写しで映され、人種差別をする人間の烙印を押された20代白人女性は、職場を追い出され、一週間、家に帰ることもできなかった。その間、毎日のように全国のテレビで顔が映し出され、中傷された。さらに、家に放火までされ、もう、引っ越しするしかなかった。ブラジル人は弱いものに対して非常に優しい。その反面、弱いものイジメが好きなのだ。 昨日のグレミオの試合で、アラーニャがボールに触るたびにブーイングが起こった。しかし、誰もヤジは飛ばさない。アラーニャは憮然とした表情で試合後インタビューを受け、「もっと気持ち良い試合をさせてほしい・・・」というようなことを言っていた。 ここまで人種差別のヤジが大きく取り上げられたことはブラジルではなかったと思う。その原因のひとつをアラーニャは作った。彼女は、もう立ち上がれないほどの罰を受け、そして、さんざん差別を受けた。もちろん、人種差別のヤジを飛ばすことは決してよくないことであるが、ニュースを見ていて、なぜここまで追い詰める必要があるのか、と思ったものである。 当然アラーニャも彼女がひどい目にあっていることは知っていただろうし、差別を受けていることを知っていたはずである。 一言「自分は差別のヤジを辞めて欲しいだけだ。これ以上彼女を責めるのは止めて欲しい」くらいのことを、マスコミを使って言えなかったのだろうか? 自分が心の痛みを感じたのなら、人の心の痛みも分かるはずだと思うが、彼には人の痛みなぞどうでもよいのかもしれない?
|