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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
10・1 女の喧嘩 [画像を表示]

10・1 女の喧嘩 (2014/10/01) ヴィンチ・シンコ・デ・マルソの坂を登り終えたところで、数人の人々がもみ合っていた。「離しなさい!」「離せ!」周囲から声が飛んでいる。よくみると、二人の肥った女性がお互いの髪を掴んで、その周囲で数人の人々が二人を分けようとしていた。一瞬のことで、何がなんやらわからず、カメラを出すことを躊躇してしまった。その一瞬の間に、警官がかけつけ二人を分けた。
 一人はまるまるとアフリカ系の肥った30代の女性、もう一人は白人系のやはり太った女性。付近の人の話を聞いていると、何かが原因で言い合いになって、掴み合いの喧嘩になったらしい。それにしても、路上で30代のおばさんが掴み合いの大ゲンカをするなんて信じられない! 
 テレビのニュースをみていると、10代の学生が、男が原因で大ゲンカをするビデオが流されることがしばしばある。それはそれは凄いもので、髪を掴みあい蹴り合う。男の喧嘩より壮絶である。力の差がはっきりしている場合は髪を持ってひきずる。顔面、腹をける。それこそ容赦がない。つい最近も、女学生が相手の年下の女学生の前歯をおり、鼻を折る大怪我を負わした事件があった。警察で事情調書が行われたが、未成年は人を殺しても罪にならない国であるから、即解放。女学生はまったく悪びれず、けろっとして家に帰ったらしい。
 路上で大ゲンカをしたおばさんたちは警察によって分けられると、意外に何もなかったように人混みの中に消えて行った。それにしても・・・・。おそらくあんな太い女性にかかってこられたら、僕だったら絶対力負けするだろう。
 インフレがはじまり、毎週のようにいろんなものが値上がり、治安はますます悪化するし、水不足でいつ断水されるかわからない状態である。いまのサンパウロの街は、昔の様な、明るく寛容でのびやかな部分がすっかり影を潜めてしまい、歩行人の顔もどこかくらい顔をしている。街全体が苛立っていているのだ。
 せめて、選挙が終わり、雨が降り断水の心配がなくなれば、人々の気持ちにも少しは余裕がでるのだろうが。

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街がどんなに変わってもセ広場の樹木、毎年変わらず落葉し新芽をつける


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