10・2 イッペーの花を知らないブラジル人 (2014/10/02)
イッペーの花を撮っていると、婦警2人が寄ってきた。写真撮ったらまずいのかな? 一瞬、身構える。 「すみません。この花は何と言う名前ですか?」ニコニコしながら尋ねてきた。 「はっ?? 」何か文句をつけられるのかと思って身構えていたので、急に力が抜けた。 「えっ、知らないんですか?」思わず聞き返した。すぐに、ちょっと失礼な言い方かな、と思い直いし、「イッペーですよ」と後を継いだ。 「あの紫の花は?」 「ジャカランダ」 これもブラジルでかなり有名な樹木である。 まさかブラジル人でイッペーのことを知らない人がいるとは思いもよらなかった。イッペーはブラジルでもっとも知られている花のひとつだと思っていただけに驚いた。彼らにとって「綺麗な花」であれば、別に名前なぞどうでもいいのだ。もっとも、考えてみれば、僕にとって映画は面白ければ、監督が誰であろうがあまり気にしない。それと同じことだ。 最初はちょっと驚いたが、イッペーの花を知らないことはそれほど驚くほどのことでもないのだ。関心があることは別にして、関心がないことに対しては一般の人が名前も何も興味がわかないのは普通だ。ただ、ブラジル人は、日本人に比べ、関心のあるものの割合が少ないことは確かだ。 もしかしたら、サンパウロの人の半分以上は、今綺麗に咲き誇っている花が何という名前なのか知らないのかもしれない。そういえば、テレビのニュース番組でも僕が見ているチャンネルでは、一切、イッペーの花が町中で咲き誇っていることに触れない。全体的にブラジル人はこうした身近な自然の変化に気づくのに疎いのかもしれない。
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