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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
10・18 自然農業

10・18 自然農業 (2014/10/18) 最近水不足だから農家の人たちはどうしているのだろう、と思い、オルガニック市で販売している人たちに聞いてみた。ここの市では、農家の人たちが自分の畑でとれた野菜などを直接持ってきて自分達で販売している。だから新鮮で安い。そのうえオルガニックときたらもう言う事はない。
 いつも買う人に聞いてみると、
「うちは関係ないよ」
「えっ、???」
「うちは、有機農業で自然農業なんで、水も雨だけで、自分達でやってないんだよ」
「へ~、知らなかった。もっと早くいってくれればよかったのに」
 他のボックスにくらべて、品数も少なく、小さかったり、いじけていたり、値段も少し高かったので、毎週なにかは買っていたものの、多くは買っていなかった。しかし、自然農法ということを聞いてすっかり気持ちが変わってしまった。このブラジルで自然農法の野菜が食べられるなんてそれは素晴らしいことである。それもこの値段で!
「日本で自然農業をやっている人が来てね、教えてくれたんだ。もうかれこれ24年になるかね~。父は農薬を使っていたし、僕もしばらく使っていたけど、今はすっかりやめて自然農業だよ」
 いつもご夫婦で仲良く販売していたが、最近はこの市が市民の間でも知られるようになりお客が増えて、忙しいので息子さんも手伝いに来ていた。旦那さんは、本当に人のよさそうな顔をした人で、また笑顔が良かった。今までほそぼそとではあるが買っていたのも、この笑顔に誘われてであった。そのたびに、「どうしてこの人はこんなに人のよさそうな顔をしているのだろう」と思っていた。しかし、自然農業をやっていると聞いて何となく納得した。やはり、自然からの恵みだけで生きている人は良いエネルギーをいつも受けているのだと思う。
「息子さんが跡をつぐんでしょ?」
「・・・どうかね~?」ちょっと旦那さんの顔が曇った。
「えええ??」
「強盗が多くてね。もう9回も入ってお金やモノを持って行ったよ。残さず出せって言ってね。嘘ついたら、また来て殺すぞって。
息子たちがいる間は、続けるつもりだけど、その後は難しいかもしれないね~。日本の自然農業をやっている人がね、地震で2回も家や畑が破壊されたらしいよ。でも次は一緒にいくって言っていたよ。それを聞いて、ウチとおんなじだと思ったね。日本は天災だけど、ブラジルは人災」
「近いうちに、是非取材をさしてください」と頼むとニッコリ笑って了解してくれた


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