10・28 食文化の多様化 (2014/10/28)
メルカードで立派なアスパラガスを見て、別に買う気もなかったのだが、なんとなく聞いてみた。 「このアスパラはペルー産? チリ産?」 「ブラジル産よ」 「ええ・・・、こんな立派なアスパラがブラジルできるようになったの!」 僕の知っているブラジル産のアスパラと言えばどれもエンピツほどの太さであった。それが、このアスパラは外国産にもけっしてひけをとっていない。 「値段はペルー産と変わんないけどね」
最近の、立派な農産物には驚かされる。どれも日本並の質と大きさのものが多くなった。中にはそれ以上のものもある。僕がきた90年代、フェイラ(市)で売られている野菜や果物は、小さかったり、ひねくれたりしたモノばかりであった。それが今や日本以上の農産物がいくらでもある。おそらく経済が安定し始めた2000年以降、世界中から農産物技術が流入しはじめ、それだけ消費が伸びたためだと思う。 広大なブラジルでは、どこかで年中果物や野菜が収穫され、消費地サンパウロに集まってくるから、年中スイカやパパイヤ、マンゴーは食べられる。そのうえ最近はアメリカや南米諸国からも果物や野菜がどんどん入ってきている。イチゴはアメリカから、サクランボはチリからなどなどブラジルの食は、僕がきた頃とは、比べものにならないほど格段に広がった。 ブラジル人は特に食に関しては、かなり保守的な国民であるが、これだけさまざまな食品や農産物が入ってくるようになったということは、徐々に保守的な食文化も変わってきたということだろう。その原因として世界中に旅行する人が増えたことがあると思う。しかし、一般庶民はまだまだ保守的で食わず嫌いの人が多い。小さいころからいろいろなモノを食べさせてきたと思っていた息子でさえそうだから、本当にがっかりしてしまう。もっとも彼の場合は好き嫌いが激しいので一概には食べず嫌いとは言えないかもしれないが。 僕は、知らない果物や野菜があると、そこそこ高価でもつい買ってしまう。時にまずい場合もあり、損をした気分にさせられることがしばしばあるので、最近は少し慎重になって、初めてのモノはたくさん買わないようになったし、よ~く食べ方を聞いてから買うようになった。
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