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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
10・29 雨よ降れ

10・29 雨よ降れ (2014/10/29)  第2の底水を使う許可が裁判所からおりて、僕の周囲では水がなくなる危機感が少し薄れてきたような感じがする。この頃、曇り空が続き、雨がぽつりぽつり降っているおかげもあるだろうし、日曜日の大統領選に関心が向けられていたせいもあるだろう。
 実際、降水量はほとんどないのだから、水がなくなる危機は続いている。こらから断水の地域が出始めるとまた人々の不安と危機感は募るだろう。そうなると、また手をこまねいて見ているだけの州政府への批判がつよまるだろう。このまま雨が降らなければ、人々の批判を他に向けさせるために何か起こりそうな感じがする。ちょうど、中国や韓国、日本が政治的な大きい問第に直面すると、意識的に国民の目を反日、反韓、反中の方に向けさせるのと同じである。ブラジルには近隣諸国との関係は一応安定しているから、国内の、デモやバスの連続焼き討ちなどに目を向けさせるような気がする
 今のブラジル、特にサンパウロやリオの人々は、生活・労働に強いストレス、不平不満を感じている人が多いから、まさに火薬庫も同然で、何かあるとすぐに庶民たちは発火し、バスの焼き討ち、デモ、暴動を引き起こす。だから、事件を誘発し、そちらの方に目を向けさせることはさして難しいことではない。
 バスにしろ、バリケードにしろ、最近人々はすぐ火を放つ。火を見た人々は気持ちが昂揚し、道徳観なんかあっという間に吹っ飛び、略奪、破壊、暴動なに走る。中には、この騒ぎに乗じて盗みを働く人間も出てくる。
 一度デモ隊の写真を撮っていて、興奮した人々がどこからか古タイヤを集めてきて火を放つのを見たことがある。普段は暴れるような行動をとることはしない人々なのに、火をみた人々は公衆電話やゴミ箱などを破壊し、いたるところにゴミをまき散らし火をつけ始めた。火は人間を変える、恐ろしいモノだ、とこのときつくづく思った。
 もし、このまま雨が降らず、どこもかしこも断水だらけになったら、それこそ暴動が起こり、至る所に火がつけられるだろう。水もなく消火もすすまないだろう・・・。ちょっとかんがえただけでも恐ろしい。
 とにかくできるだけ早く雨に降ってもらい、人々の不安を少しでも和らげてもらいたい。


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