11・3 自然農法野菜 (2014/11/03)
完全自然農法をしているおじさんと毎週、ちょこちょこと話をするようになった。お客が来る合間をぬってだからほとんど話はできないが、それでも話を聞いていると結構面白い。 「な~んもしないでいいから楽なもんよ」とにこにこしながらおじさんはいう。 「そんなことはないでしょう。ここまで持ってくるまでが大変だったんでしょ?」 と僕。 顔は相変わらずニコニコ笑っているがちょっと目が真剣になった。 「そうね。農薬や肥料をやらなくなった1年目は、前年の分が残っているから良く獲れるわな。でも2年目からがくっとおちこんでね。子供もいるし家内がもうやめましょ、っていったんだけど、そこを押し切ってつづけたんだ」 「ふ~ん」 ちょうどどのとき客がきたので、話を中断した。おじさんはだんだん興がのってきてもっと話したそうな感じであったが、仕事の邪魔をしたくないので切り上げた。 完全自然農法を実践しているのは、オルガニック市の中でもおじさんだけであるらしい。他の屋台に比べて野菜がチンチクリンでヒネタ感じのモノが多いのでちょっと不思議に思っていた。そんな野菜を栽培しているなんてブラジル広といえども、おじさんとアマゾンやパンタナール奥地の原住民くらいのものだろう。そう考えると、そんな貴重な野菜をほとんど市場と変わらない値段で食べられることが嬉しくなった。 自然のまんまで育った野菜は、外見はちょっとひねていても、エネルギが一杯詰まっているのではないだろうか? そう思って最近はおじさんが作った野菜をせっせと食べている。
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