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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
11・13 センテット [画像を表示]

11・13 センテット (2014/11/13)  この頃、セントロではセンテット(屋根なし住民。ほとんどの住民は仕事をしている)が占拠していたビルからの立ち退きを強いられ、引っ越しをしている様子を見かけるようになった。
 いくら持ち主がはっきりしていない、あるいは税金が滞り政府や銀行に借金の肩代わりに差し止められたビルといえども、勝手に入り込み、電気や水道を許可なしに引いていい訳ではない。しかし、貧しくてどうしようもなくここに住みついている人の気持ちもわかるだけに、「良い」、「悪い」と、はっきり僕には言えない。最近はこれらの占拠したビルに貧しい人のみならず、不法滞在の近隣諸国やアフリカからの移民が住み着いているようである。
 ざっとセントロのサンジョアン大通り付近を歩いただけでも20近くの建物が占拠されていた。先月、退去をせまられた住民が警官隊と衝突し大騒ぎとなった。それ以来、退去を迫られた人々のほとんどは、抵抗することも無く意外にすんなり建物からでていっているようである。もしかしたら、裏で少し支度金のようなものが払われているのかもしれない。
 かつての高級ホテルで今は占拠されている「オットンパレセ」の前でも、トラックが横付けされ引っ越しが行われていた。それでも皆が皆出て行っている様子はなく、まだ多くの住民は居つづけているようである。しかし、最終的には警察は力ずくでも追い出すであろう。前に駐在する警官に聞いても「ここは、文化遺産にしているような建物だから、そのうち皆出て行かなければならないだろうね」と言っていた。
 こうしたセンテットの人々は決して日本で言うホームレス=路上生活者ではなく、ある程度まじめに働こうという気持ちをもっている? 働いている人々が多いようで、家賃が高くて払えないので、ただで住めるからやってきたという家族や普通の人が多いようである。
 占拠された建物内がどれほど統治されているのかわからないが、建物の外にはたいていグループの名前を書いた赤い布がかかっているから、ある程度中の治安は保たれていているのだろう。しかし麻薬組織や犯罪組織の温床になっている可能性も十分ありえる。それだけに、政府や州政府がきっちり管理する必要があると思う。サンパウロ市長ハダジは、こうした持ち主や、税金を払われない建物を徴収するようなことを言っていた。センテットや家が欲しい人たちに抽選で安く解放するのもいいだろう。しかし、きちんとした規則を作り、だれでもが参加できるようにしなければならないと思う。自分のアパートを持つことは、貧しい人だけでなく、家を持てない中流以下の人にとっては「夢」なのだから

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市に提供されたトラックで家財道具が運ばれていた


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