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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
11・28 セントロの映画館

11・28 セントロの映画館 (2014/11/28) 今日も、セントロにあるシネマ・オリド(オリド映画館)に行った。別に観たいというほどの映画でもなかったが、日本映画週間が最終日だったので行く気になったのだ。
 この映画週間でいつも座っている右側の席が埋まっていたので、左側の前部の席に座った。これが失敗であった。
 上映室に入って来るなり、ブツブツ言っている爺さんがいた。僕の座っている座席を通り過ぎたのでよかったな、と思っていた。映画の中に引き込まれかけた時、後ろから独り言が聞こえた。それも静かなシーンで! 後ろを見ると僕の斜め後ろに爺さんが座っていた。えっ?! 数席、横にずれる。しかし爺さんは、再び大きな声で独り言を繰り返した。
「うるさい!」と、日本語で軽く言うと(決して強くでない)、しばらく静かにしていたが、また独り言を繰り返し始めた。普通に面白い程度の映画だったので、それ以上何も言うつもりもなかった。あまり言い過ぎると、ブラジル人は逆切れする奴がいるし、何故かそれほど腹が立たなかったこともある。値段が50円と激安の上、セントロにある映画館ということで、自分の中でも仕方がないと言う気持ちがあったのだ。そうしているうちに、独り言が消えたので後ろを見ると、爺さんはいなくなっていた。
 映画が終盤に差し掛かったところで、大きな荷物を持った男が入ってきた。早くどこか行け! と思っていると、僕の前にきて、手を合わせて(ブラジル人は日本人を真似て手をあわせてヘコヘコお辞儀をする)お辞儀をする。ぼくからは逆光だが、彼からは順光で僕が東洋人とわかるくらいには見えるのだろう。別に僕をからかってやっている訳でもないようだが、相手にするといろいろ絡んできそうだったので無視。彼はそのまま僕のすぐ前に座った。ぷ~んと饐えた匂いが前の男からし始めた。路上生活者だったのだ。前回30分過ぎて入ったとき、無料でいれてくれたことを思い出した。彼も無料で入ったのだろう。匂いくらいは我慢しよう、と思いながら見ていると、今度は、右手を軽く上げ、開いたり閉じたりし始めた。うううっ、これはちょっと・・・・。彼は決して悪気がないことは解っている。この映画館の画面は結構高い所にあるので、画面に入る訳ではないが、すぐ前の席で手の平を閉じたり開いたりされると、どうしても気が散ってしまう。あ~。再び席を3席ほど移動する。まったくもってこの映画館の客は・・・・。超激安、セントロということで、時間がありあまっている老人と路上生活者風の人間の溜まり場なのかもしれない。
 こうした人々のほとんどは精神的に少し異常をきたしている人が多いのだろう。独り言をぶつぶつ言ったり、座席で静かに鑑賞ができなかったりする人いる。まっ、それが解っていてこういう映画館にきているのだから、ある程度は我慢してみなければならない。
 しかし、本当に見たい映画はここでは見ない方が無難なようだ。


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