12・1別れのキッス (2014/12/01)
この頃、可能な限り歩くことにしているので、久しぶりにメトロに乗った。なんとなく初々しい気分が、気持ちがよかった。 日曜日だというのに、結構利用客が多いのには驚いた。プラットフォームの行く途中のエスカレーターで男通しがびたっとくっついているのが目に入った。法を破ったり、人に迷惑をかけたりしない限りは、別に何をやってもいいと思うが、男同士がびたっとくっついているのは見苦しい。嫌なモノをみたな、と思いながら彼らの横を通り過ぎた。男女がいちゃつくさえも、べたべたし過ぎるとうっとうしいのに、男同志のいちゃいちゃを見るのは、ぼくには耐えられない。 メトロに乗って、ふと入り口付近を見ると、先ほどの男同士のカップルが手をつないで扉の所に立っていた。一人一人を見れば、まったくゲイには見えない普通の男性である。どっちかというと不細工な部類にさえ入る男性たちである。 以前、日本の女性友達と話をしていて彼女が言うには「ゲイというのは、見かけもそぶりも普通の男性で、たんに男が好きなだけよ」といいはった。しかし、僕が身近に見るブラジルのゲイ達は、パッと見、男でも、話し方身振りや動作がどうもナヨナヨしていてすぐゲイだと解る。もしかしたら日本のゲイはゲイであることを恥だと思い隠そうとしているのではないだろうか? ブラジルは日本にくらべて、ゲイに対してはるかに寛容であるから隠す必要がないのかもしれない。しかし、ブラジルでも右翼系の人間やスキンヘッドのグループはゲイが大嫌いだから、しばしば、ゲイが襲撃され殺される事件も起きている。 駅が近づき、片方が降りるようで、二人がキスを交わした。以前は、さすがに公共の場でキスなんかしているところを見たことがなかったのに。ゲイもすっかり市民権を得たようだ。
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