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     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
12・3 ペットブーム の弊害 [画像を表示]

12・3 ペットブーム の弊害 (2014/12/02) 昨晩から、また雌犬アズミの左頬が腫れはじめ、今朝慌てて、腫れ止めの薬を大型ペットショップに買いに行った。去年日本に帰ったおりに、実家の高知の駅前に大型ペットショップができていて驚いたが、ブラジルのペットショップ店の内装が高知のそれと本当にそっくりなのである。世界中のいろんなものが、同じようになりつつあるのを強く感じた。
 薬部門に行くと、「獣医の診断書が必要だ」というような、張り紙がされていたので、売ってもらえるのか少々心配であったが、薬の空き箱を見せるとあっさり何も聞かずに売ってくれた。よっぽど「この張り紙は何?」と聞こうかと思ったが、藪蛇になりそうだったのでぐっと我慢した。余計なことは言わないのが一番である。
 レジで並んでいてふと横を見ると、ブラジルうあイタリアでクリスマスに食べる習慣になっている菓子パン「パネトーネ」が山積みになっていた。普通売られているものの半分ほどの大きさである。よく見てみると、なんと犬用のパネトーネであった。1個6.9レアル。約350円。あほらし!! と思っているとすぐ横にあったアイスクリーム用のフリーザーが目に付いた。な、なんと犬用と書いてある。げげげ、ここまで来ると驚きから怒りになる。犬は人間の子供ではない。犬は犬である! 人間とおなじようになんでもするなんてまったくバカげた話である。人間の食べるものを、犬にも与えるから、ぶくぶく太って歩くこともままならないようなデブ犬になってしまうのである。勝手にプンプンしていると、レジ黒人系の女性がフリーザーを見ている僕に気が付き「もう大分売れちゃってあまりなくなっているけど、まだいろんな種類があるから」とわざわざ教えてくれた。
「アイスクリームなんて売れるの? だいたい犬が食べるの?」
「犬は大好きみたい。だから、皆よく買っていくわね」
「ふ~ん」
 犬にアイスクリームね・・・。まったく猫かわいがりの典型だ。
ブラジルは今空前のペットブームで高価な純血種も良く売れているらしい。「強盗に散歩中に盗まれたポメラニアン種は60万円」とニュースに流れた。日本でも純血種は高いと聞いていたし、ペットショップで売られている犬たちはどれも10万円以上の値札がついているのを見て随分高いものだな、と驚いたものだったが、ブラジルでもどんどん犬の値段が上がり、日本の値段と変わらなくなってしまった。僕が今飼っているダックスフンドは7年前当時一番安い犬種で、1万円ほどであった。最近サイトを見るとダックスフンドでも倍以上の値段になっていた。当然、金になる高価な犬を狙う強盗がでてくる訳で、最近は犬強盗が頻発している。いろんなところで、盗まれた犬の張り紙が電柱や街灯に貼られているのを見かけるようになった。
現在、ブラジルはアメリカに次いで世界第2位のペット人口らしい。ブームにのかってどんどん繁殖されていて、サイトなどを通じて売られている。しかし、劣悪の環境の所が多く、息子に買ってやったブラジリアン・テリア(本当はフレンチブルドックが欲しかったのだが、高くてとても買えず結局一番やすい犬になった)の仔犬にはダニが10数匹へばりついていて駆除するのに難儀した。
 これからクリスマス、カーニバルと続き、皆、旅行に出かける。犬を買ったはいいが、旅行に連れていくこともできず、かといって簡単に預かってくれる人もおらず、犬ホテルに預けるお金もない、と言う人が多い。中には愛犬を通りに放逐して、自分はさっさと旅行に行く人もいるらしい。

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パネトーネ


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