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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
12・3勘働き [画像を表示]

12・3勘働き (2014/12/03)  サンパウロのような危険度の高い所で生活していると、勘がよくなるのかもしれない。たとえば、「なんとなく行きたい」、と思う方角に歩いていると偶然友人と出くわしたり、何か嫌な予感がして振り向くと、襲われる直前だったり、日本に住んでいるときと比べると随分勘が良くなったような気がする。
 もっとも、できるだけ素直に自分の気持ちに従っているうちに、偶然が続いているだけかもしれない。まっ、偶然だろうが、勘のおかげだろうが、ほとんど頼る友達も知人もいないブラジルで生き延びていくには頼るものは自分しかいないと思っているので、運よく危険から逃げ延びていることは本当に「ラッキー」ことだと思っている。最近読む時代小説や、時代マンガによく危険を予感察知する意味の「勘働き」という言葉が出て来るが、もしかしたら僕も勘働きが少しは働くようになってきたのかもしれないな~、と自分で勝手に思い込んでいる。
 実際、冷静に考えてみると、僕は、まるで臆病な草食動物のように無意識のうちにいろいろ気を付けている。息子やブラジル人が歩いているのをみていると、危なそうな奴が前から来ようが、いかにも危険そうなストリートチルルドレンの集団がいようが、平気でどんどん歩いて行く人が多い。僕は臆病ものだから、そういう奴らに出くわしそうになったら、必ず、道路端に避けたり、反対側に逃げたりする。さらに、信号待ちをするときは、後ろに人がいないか、歩いていてもつけられていないか、気を配る。いつも一眼レフカメラを携帯しているから、自然に身に着いた防衛反応なのだろう。だから、人と話しながら歩いているよりは、一人で歩く方がずっと安全だ。家にたどり着くとどっと疲れがでるのでおかしい、と思っていたが、自分でも気が付かないうちに神経をはりつめ気を配っているのに最近気が付き、それも納得した。こんな生活を毎日しているから、日本に帰るとあまりに安全すぎて、逆に物足りなさを感じてしまう

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