2・13セントロから見たブラジル社会 (2015/02/13)
朝9時前、セントロを歩いていると、ピーピー、笛の音が聞こえてきた。こんな朝早くからデモがあるなんて?? と思いながら歩いて行くと州会議場の前に20数人の人だかりがあり、横断幕を持った人が何人かいた。僕の行きたい方向とは逆だったが、見るだけ見てみよう、という気になり集団の方に向かった。 近くに寄って、驚いた。皆60歳以上のお年寄りである。横断幕には、「権利を守れ」などというようなことを書いている。垂れ幕を持ったお年寄りに写真を撮っていいかと聞くと「写真でも、ビデオでも、どんどん撮ってくれ!」という。 今まで幾度かデモ抗議を見てきたが、お年寄りのデモを見たのは初めてである。ついに老人までデモをするようになったのか・・・。老人は社会の中で守られるべき人々である。そうした人までが安心して暮らすことのできない社会になりつつあるのだ。今の社会環境に人々のストレスが溜まりに溜まっていることを感じた。わずか数十人の間の抜けたようなデモだったが、数千人のデモ以上に突き動かすモノがあった。 日系の友人のお店に行ってこのことを話した。 「今、老人たちの間でも不満となるような問題があるの?」 「年金をもらうのが、今まで65歳からだったけれど、さらに4か月延びたよ」 聞いた時には、たった4か月くらいと、思ったが、ギリギリの状態でほそぼそと暮らしてきた人たちにとっては、死活問題である。 ちらりと友人が気になることを言った。「17日にジウマ大統領弾劾の大規模デモが予定されているらしいよ」 そういえば、昨日、南伯都市のポルトアレグレでは、バス運賃値上げ反対の結構大きなデモがあった。カーニバル週間に入ってデモとはおかしいな、と思っていた。さらにジウマ大統領が同じPT党のルーラ前大統領と会談するためにブラジリアからサンパウロまで来ていた。料金値上げデモは発表があったかららしいが、もしかしたらこの2つの出来事は17日のデモに関係があるのかもしれない。 ジウマ大統領はあまり好きな大統領とは言えないが、今の大統領候補の中では一番潔白な人物だと僕は思っている。他の大統領の席を狙っている人間は汚すぎる。彼らが大統領になったら汚職しまくりだろう。 前回の調査ではジウマ大統領の支持率は30%台で過去最低だった。もし他の大統領になったら、もっとひどい状態になると思うのだが・・・。
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