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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
2・16フェイラで [画像を表示]

2・16フェイラで (2015/02/15)  フェイラ(青空市)は、本当はあまり好きでない。というのは、売り子に厚かましくて嫌味な奴が結構いるからだ。こんなことを感じているのは僕だけかと思っていたら、友人もそうだ、と聞いてちょっと安心した。
この頃、どうしても食後にデザートとしてフルーツを食べたくなるのでフェイラに行かないわけにはいかない。僕が良く食べるメロンやスイカはどれも1キロちかくあり、1週間分の果物を買ったら4,5キロになってしまう。なので、家から3分の所に立つフェイラは、やはりどこで買うよりも便利なのだ。
 先々週、果物の写真を撮っていて、「撮るなら金払え!」と言われ、そのテントのオーナーと口論となってしまった。いつも、そのテントで買っているし、その上、記念写真を撮ってくれと言われれば、気軽に撮ってあげたし、印刷までして渡しているのに、そういう言い方をされてムカッ腹がたった。もともとそのオーナーは嫌味な奴で、顔にも意地悪さが出ている。「2度とお前の所で買うもんか!」と思った。そのテントはフェイラで一番大きなテントで、売られている果物は他より少々高いが、品質は良かった。買えなくなるのは少々残念であるが仕方ない。
 先週は、売り子に頼まれていた画像のCDを持って行って渡したが、このテントでは何も買わなかった。本当は奴の顔をチラリとでも見るのは嫌だったが、CDを渡すことを売り子と約束していたので破る訳にはいかなかったのだ。一度人を嫌いになると、徹底的に嫌いになる。僕の悪い点である。解っているのだが、仕方がない。しかし、人によってはすぐ許せる人もいるので、その人の持っているモノが大きく関係するのではないかと僕は思っているし、僕が顔を見たくもないと思っている人間はたいてい僕だけでなく多くの人間に嫌われている。
 今日も、そのテントでは買うつもりはなかった。前を通るとCDをあげた売り子2人が次々と声をかけてきた。「おはよう」「今日は買っていかないのかい!」買うつもりはないが、関係のない彼らにあからさまに「買わない」というのはあまりにも失礼だから、「後でね」と言い残して通り過ぎようとしたときにスイカが目に入った。5レアル、先週は8レアルだったのに。ついついその値段に誘われ買ってしまった。あれほど買わないと決意していたのに・・・。お金を渡そうとすると、いつもは渋ちんの売り子がいらないと言う。驚いてしまった。それじゃあ、何も買わずにスイカをもらって帰るのは、彼に悪いので、メロンとマンゴーを買おうとすると、「もうひとつマンゴーを持っていきなよ!」とい「ええー本当にいいの!」合計で12レアルを渡すと、さらに2レアル引いてくれた。「いい人だから、大サービスだよ」彼の行為に「嬉しい」を通り越して驚いた。
 もう一人の売り子も「すごっく気に入った。さすがプロだ!」と喜んでくれた。僕は、写真は撮る側と撮られる側の一瞬のコミュニケーションだと思っている。だから必ずしも気に入ってもらえる写真が撮れるとは僕も思っていない。街角で頼まれて撮る数枚のスナップ写真は勿論お金など要求しない。本当は紙焼きにして渡したいが、ブラジルの印刷屋は調整をうまくしてないのか? 印刷がひどい。かと言って日本からもってきた印刷機で印刷するのはあまりにコストがかかりすぎるのでCDに入れてあげるようにしているのだ。彼らの場合はたまたま良いコミュニケーションがとれたのだろう。
 テントのオーナーへの怒りはまだ消えたわけではないが、彼らのいる所ではまた買うしかなくなってしまった。

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