2・25 見かけもセニョール (2015/02/24)
メルカードに行く途中に、地方からスイカやメロンなどの果物集荷場がある。その通りでおじさんが、台の上で果物をタライに入れて売っていた。どれでも1タライ5レアル。値段にすれば、アパートの近くに立つフェイラ(朝市)より幾分か安かった。ごっつい身体をしたいかにも無愛想な白人のおじさんが売っていた。持って帰ることを考えると幾分高いフェイラの方が結局は楽なような気がするが、フェイラでちょっとしたイザコザがあり、買いモノをするのはうんざりしていた。そんなこともあり、このおじさんから果物を買うようになった。売られているものはせいぜい2種類。集荷場だということもあり、質は決して悪くなかった。おじさんは、顔がごつく無愛想だが、ニヤリと笑った表情は妙に愛嬌があって、客ずれしていないところに好感がもてた。 今日もマンゴーとアボガドを買おうと見ていると、 「オレがいいのを選んでやるよ」と言って、大きなアボガドばかりを選んでくれた。 買うようになって3回目ほどだったの、このオジサンの対応にちょっと驚いた。顔は怖いが愛想の良い人だったのだ。すっかり嬉しくなって「ありがとう」というと、ちょっと恥ずかしげに軽く頷いた。 お金を渡し、「ありがとね」と言って立ち去ろうとすると「ありがとう、セニョール」と言ってくれた。快くお礼を言ってくれたのは、嬉しかったが、彼からセニョールと言われると妙に自分が随分年を取ったように感じた。彼はおそらく僕とおなじくらいの年齢だろう。相手は気を使ってくれて丁寧に言ってくれたのだろうが、「セニョール」と言う言葉は主に中年以上の人に使う丁寧言葉であるからちょっとショックであった。この頃ちょくちょくいろんなところでセニョールと呼ばれる。ブラジル人から見ても、もうセニョールに見えるようになってしまったのだ。もう年齢はそういう年なのだから仕方がないのだが、見かけもすっかりセニョールになってしまったかと思うと、ちょっと寂しい。気持ちはまだまだ学生時代なのだから・・・。
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