3・6 犬散歩請負人 (2015/03/06)
信号待ちをしていると、横にいたゴールデン・リバー犬が、「撫でて」と言った感じで頭を寄せてきた。一瞬驚いたが、撫でてやると嬉しそうに身体を寄せてくる。そうしているうちに、飼い主? の男が連れているピットブルも寄ってきた。その顔を見るといかにも凶暴そうな顔をしていたので、ちょっと身をひくと、「噛まないから大丈夫だよ」と男が声をかけてきた。 犬を見かけると、寄ってきて触ろうとする人がいる。知らない人に触られたりするのは犬からしたら迷惑だ。よくうちの犬たちにも触ろうとする人がいるが、犬たちが吠えると、「凶暴だね」とびっくりする。「触ろうとするあんたが悪いんだよ」と本当は言いたいが、「この犬は触られるのが嫌いだからね」とやんわりと忠告する。だから、僕の方からは決して知らない犬に触ったりしないことにしている。ところが、最近、犬の方から寄ってくることがしばしばである。エレベーターなどで飼い主と一緒の犬と出くわすと、「触って!」と言った感じで犬の方がよってくる。恐らく僕の服などから犬の匂いがプンプンしていて、この人は大丈夫だと思うのだろう。
その20代後半ほどの男は、このゴールデンレッドリバー犬の他に、フレンチブルドッグなど5匹ほどの犬を連れていた。「この犬たちは全部あんたの犬なの?」と聞くと「いや僕のじゃないよ。頼まれて散歩させているんだ」 ブエノス・アイレスでも犬の散歩を職業にしている人たちのことを思い出した。彼らはもっとたくさんの犬たちを連れて散歩していた。もうかれこれ15年ほど前の話だ。サンパウロでは彼が初めて見る犬の散歩人だ。もしかしたら他の地区では前から居るのかもしれないが・・・。サンパウロのペットブームはここ10年ほどだから、散歩請負人の需要もここ最近なのかもしれない。 散歩中の犬を強奪する犬泥棒も横行しているので「こんなにたくさん高級犬を連れていて危なくないの」と聞いてみると、「大丈夫だよ」ニッコリ笑った。1か月1匹の散歩代約8000円、とのことであった。決して安くはない。 「犬をかっているなら、散歩引き受けるよ!」 本当はそんな余裕はないためなのだが「健康のために散歩しているのだから必要ないよ、ありがとう」というとすごく納得した顔で頷いてくれた
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