3・16 久々の舞踏 (2015/03/16)
可世木裕子という舞踏家が踊ることをたまたま知った。名前を聞いたことも無い人だったので、ネットで調べてみると、ブラジルに来たこともある古川あんずさんの弟子にあたる人だった。 僕が古川あんずさんに写真を撮らせてもらったのは10年以上まえのことで、ほとんどなにも覚えていないが、キレの良い踊りとタバコが好きだったことを覚えている。その頃タバコを吸う人をテーマとして撮っていたので、無理にお願いしてタバコを吸っている写真を撮らせてもらったことを覚えている。話らしい話もしなかったが、非常にあっさりした男っぽいさばさばした感じが印象に残っている。そのあんずさんも今では故人となってしまった。 あんずさんの弟子と知って是非公演をみたくなった。パウリスタで、デモを取った後、ほとんど聞いたことも無いようなビラ・マンダレーナの劇場に向かう。撮影後で結構疲れていたし、どうしようかかなり迷ったが、何となく足がむいて、ついつい劇場に行ってしまった。5時から始まると思っていた公演は僕の勘違いで7時からだった。ただでさえはやく着いているのに、7時からとなると3時間以上またないといけないことになる。先についていた55歳ほどのセニョールに時間を確認すると、ついつい話し込んでしまい5時なった。そするうちに、彼の知り合いの日系人女性グループと話しているうちにあっという間に時間がすぎさり開演になった。僕は、全く知らない人と気軽に話せるタイプではないのだが、何故か皆と気軽に話すことができた。今日はまったくおかしな日だ。 そうしているうちに公演が始まった。あんずさんゆずりの、筋力を使った力強いキレの良い踊りが印象的だった。もう年は40~50代とは思うが鍛えあげられた肉体はシルエットがきれいだった。この人がともっと年をとったら、どんな踊りをするようになるのだろうか? 思わず想像してしまった。
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