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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
4・9 郷に入っては郷に従え

4・9 郷に入っては郷に従え (2015/04/10)  パスコア(復活祭)明けで、今日のメルカードには魚がほとんど入っていない。以前にも書いたが、漁船が連休中には観光船になってしまうためだ。

日本の漁師なら「観光船なんてしない!」と言う人も多いような気がするがブラジルの漁師はお金が入れば、自分の職業なんてどうでも良いと思っている人がほとんどなのだ。消費者の立場から言わせてもらえば、「職業意識をもってもっとしっかりやってもらいたい」と言いたくなるが、ブラジル人からすれば、そういうのは当然のことらしい。もしかしたら、職業意識、愛社精神を持つのは、昔の日本人特有の意識なのかもしれない。

 魚がないので仕方がなく、豚肉1キロ500円、牛肉1キロ900円を買う。メルカードでは、肉屋は豚肉、牛肉、鶏肉、内臓、に専門店が分かれている。豚肉専門店前には、中国人で溢れていた。1人の中国人オジサンが人を押しのけて入り込んでくる。本人はまったく気にしていない。おそらく中国ではこんなのはごく普通のことなのだろう。じろりと睨みつけたが、普通のことをしていると思っている奴に文句をいってもしょうがない。おそらくなぜ睨みつけて来るのかも気が付いていないだろう。

 中国人がどっと増えた頃には、メルカードの人間も中国人の厚かましさにむっとしていたようだが、最近はなれてきたようだ。機転の利く売り子は「シェーシェー」などと御愛想を言っている。

 「従業員のいるところにまでドカドカ入ってきて、魚を素手で触って選ぶんだよね。素手で触ると魚が傷みやすくなるから困るんだよね」と魚屋の友人不満を言っていた。それでも、最近は中国人も少しはブラジルの魚屋になれたのか、ガラスケース越しに、魚を選んでいるのを見かける。横で見ていると、彼らは値段交渉もしつこく、値段を聞いたきに値引きを要求し、量りに載せた時にもう一度、そこで断られても、お金を払う時にもう一度、計3回も値引きを要求するのが普通であった。最近はそれほどしつこい値引きをする姿は見かけない。メルカードでは値引きをしてくれないことを知ったのであろう。ブラジルに来ている中国人は顔つきから見ても、態度、行動、服装から見ても田舎から来た人が多いみたいだ。こうした中国人のふるまいも、以前よりは少しましになってきたような気がする。

利己的な中国人と言えども、海外で暮らす限りは、海外の習慣になれないといけない。郷に入っては郷に従えである。もっともそれは日本人にも、そして自分自身にも言えることであるが・・・。

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