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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
4.16 時にはハズレも

4.16 時にはハズレも (2015/04/16) サンパウロは、さすが南米最大の都市だけあって、しょっちゅう世界的な芸術家の展示会や、映画祭が行われる。それも無料や低料金で見せてくれるので非常にありがたい。

 先週から始まったドキュメンタリー映画祭に行った。市内映画館数館で行われていて、無料か50~100円で見られるのがうれしい。いろいろ用事を片付けている間に、すっかり遅くなってしまい、行きたい映画を逃してしまったので一番近い映画館、オリドに行った。このセントロにある映画館は、うちからちかくで行きやすいのだが、無料のため路上生活者が時間をつぶすためにやってくることが多く、見る環境を考えれば最悪である。彼らはシャワーを何日も浴びていないのでとにかく臭い。さらに多くの人は精神的に障害をきたしているのか、大声で突然叫んだり、ぶつぶつ独り言ったり、映画に集中している人間には迷惑だ。1度、見るからに危なそうな若者が入ってきて、彼に気を取られて映画に集中できなかった。入館に際し、警備もいないので、拳銃をもった強盗が入り込むことが十分あり得るのだ。

 そんな訳で、いまいち気が進まなかったが、時間的に行けるところはオリドしかなかった。窓口でチケットをもらうときに、担当の女性から「始まりまで、時間がないので早く入ってね。途中からははいれないから」と言われた。急いで階段を上がるとホールに数人の警官がいた。以前は時間を少々過ぎても入れてくれたのに、いれてくれなくなったということは、途中入館者は、たいして映画には興味のない路上生活者などが多いから禁止になったのだろう。警察がいるということは、最近なにかしらの犯罪事件がおきた可能性が高い。警備が厳しくなって、安心してみられるのは嬉しい事である。

 映画はボサノバ歌手マリア・ベッチーニャのドキュメンタリーだった。とにかくひどいものだった。これほどひどいものを見たのはひさしぶりである。カメラワークがひどすぎる。カメラマンの勘の悪さと頭の悪さばかりめだった。ズーミングなどは、一度にできないので、ガックン、ガックンと2、3度にわたってだし、フォーカスははずれまくりだし、手持ちの撮影はずっと揺れ続けた。アマチュアにしてもひどすぎる。マリアの歌が良かったので見続けたが、そうでなければ途中退出したと思う。あまりのひどさに映画自体に集中できず、次第にイライラしはじめた。今までこんなひどい映画はみたことがない。ブラジルのカメラマンはスティールにしろ、ビデオにしろ勘が良い印象があっただけにがっかりだ。僕が見てきたカメラマンは本当のプロだったのかもしれない。もしかしたら、ブラジルの普通のカメラマンの多くはこの程度なのかもしれない。この映画を見て、ちょっと考え方さえも変わってしまった。


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