4・22良質の孤独 (2015/04/22)
連休の最終日は、結局アパートで独り過ごした。1日中誰にも会わず、電話すらせず終わってしまった。ひとりきりでいる時間は決して嫌いではない。そんなことを考えていると、大学時代に演習林の山の麓で何度か一人で数週間過ごしたことを思い出した。周囲には数キロにわたって人家はなく雪が降るとほぼ閉ざされた。しんしんと雪が降る中で、独り数週間過ごしていると、精神がどんどん澄んでいき、透明になるような感覚を覚えた。 今は、セントロにある築60年の古びた高層アパートの22階で、一人で過ごしている。誰にも会わず、話さず、1歩もアパートから出ないことも数日続くこともある。それでも、寂しさも、孤独も感じない。今はテレビもネットも電話もあるし、犬たちもいる。周囲からは人々の息づきを常に感じるし、窓の外を眺めると真夜中でも、人の蠢きを感じる。 今は、良質の寂しさ、孤独を感じるのは、もしかしたら非常に難しい事かもしれない。たとえ人に会わなくても、いくらでも人と会うことと同様の状態にいられるのだから。今考えると、大学時代に過ごした孤独な時間は、本当に良質な孤独だった。
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