4・23 ジゼーリの思い出 (2015/04/23)
トップモデルのジゼーリが、サンパウロ・ファッションウイークを最後に、ファッションショーを辞めた。彼女は14歳からモデルを始め、今年で20年目の34歳、アメリカンフットボールの選手と結婚し2人の子供がいる。ランジェリー会社も経営し、モデル1のお金持ちにもかかわらず、堅実な生活を送っている。 細めの一見冷たそうな顔つきは、あまり僕の好みの顔でないということもあり、彼女のニュースを気にかけたて見たことはなかった。数年前に一度、マナウスジャングルロッジで彼女に会ったことがある。ピンクイルカの撮影をしているときに、3人の派手な感じの女性と黒服の黒人(あとで気が付いたが用心棒)たちが乗った白いモーターボートが近づいてきた。今でこそ、ブラジルのニュースや有名人に関心をもってみているが、その頃は全くと言っていいほど興味がなかった。知人のブラジル人カメラマンの身体がなんとなく固くなったような気がしたが、さほど気にしなかった。 派手派手な女性3人がボートから桟橋にやってきた。知人のカメラマンが何枚か写真を撮った。その様子をみて、大柄な黒人が手をかざして、撮らないで! といいながら手をかざした。知人は撮るのを辞めたが、もっと撮りたそうな顔をしている。女性たちはキャッキャいいながらピンクイルカをしばらく見た後、再びボートに乗り込み本流の方に行ってしまった。 あとで聞いて驚いた。彼女らの中に世界的なトップモデルジゼーリがいたというのだ。まったく気にしていなかったので誰がジゼーリか解らなかったが、中に一人静かな女性がいたような気がする。もしかしたら、その女性がジゼーリだったのかもしれない。その日の朝のニュースでジゼーリがマナウスに来て撮影をしていると言っていたのを思い出した。僕が鈍いのか、彼女から発するオーラや変わった雰囲気をいっさい感じなかった。ただ、なんでこんなごつい男がいっしょにいるんだ? と思ったくらいだ。僕はてっきり金持ちが女をはべらしてアマゾンを周遊しているとおもっていた。「撮るな!」というものは撮らない主義だから一枚も写真を撮っていない。惜しいとは思わなかったが、一枚くらいはとっておけば良かった。 もう一生、偶然にも彼女に会うことはないだろうが、なんとなく懐かしい思い出だ。
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