本を読みながらウトウトしていると、何かを打ち鳴らす音と車の警笛、人々の怒号で眠気が覚めた。サッカーの試合をしているのかな、と思いながら、そのまま本を読んでいると、窓の外で明かりがチカチカしているのに気が付いた。サッカーの試合にしては時間的に早いな、と思いながら、外を覗くと、たくさんのアパートで、部屋の電気を点滅させている。ハタと気が付き、慌ててＴＶをつけた。 　前回のジウマ大統領のテレビ演説では、ブラジル各地でブーイングが起こり、鍋が打ち鳴らされ、警笛が鳴らされたことを思い出したからだ。テレビをつけると、案の定、ＰＴの見たことも無い顔の長い政治家が演説していた。 　ジウマ大統領は労働の日のＴＶ演説を取りやめ、ネットでの演説を行った。おそらく前回の各地のブーイングがよっぽど堪えたのだろう。そのネット演説も不評だった。昨夜は大統領と同じＰＴ党のＴＶ演説でも同じようなブーイングが起きたのだ。石油公社ペトロブラスの汚職贈賄が発覚していらいＰＴ党は急速に落ち目となり前大統領のルーラも雑誌に汚職贈賄を暴かれた。本人は、その暴露記事を打ち消そうと「それは嘘だ！」　というようなことを発表したが、以前から噂がたえず、国民の間では既成事実とさえなっていた。このような暴露記事が出始めたということはＰＴ党、ルーラ前大統領の力が弱ってきている証拠だろう。マルタ元教育相大臣は大臣を辞めさっさとＰＴ党を脱退したし、ＰＴ党の終わりも近い？？

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