5・15 初老ストリートミュージシャンの悩み (2015/05/15)
約束していた写真を、友人のストリートミュージシャンに渡しに行ったが、あいにく来ていなかった。彼と一緒に演奏をしていたミュージシャンに聞くと 「今日はきていないよ。明日は来ると思うけど。家にいると大変みたいだから、うさを晴らすためにもきっと来るよ」 「家にいると大変」?? その言葉がひっかかった。というのも友人は、いつもひょうひょうと演奏していて、悩みごとには無縁の男のように見えたからである。 「「家にいると大変」ってどういうこと?」 「俺もよくしらないけど、家で問題があるみたいだよ」 「・・・・」 「あんたが着ていたことは、電話で伝えておくよ」 そういって別れた。 僕の友人はストリートでサキソンフォンを吹いている初老である。僕が撮影をしながら歩いていて、演奏をしている彼に偶然に出会うと、大げさなほどに喜んでくれる。こちらが照れくさい程である。ぱっと見、深みのある紳士風で、ストリートミュージシャンをしているが、実は、有名なミュージシャンだったのかもしれない。それほどしっかりした音をだしている。とは言っても僕には音を聞き分ける能力はないから、そんなエネルギー? を感じる。服装もきれいだし、荒んだかんじが全然ない。洒落者の感じさえする。他の仕事で成功した人かもしれない。 しかし、そんな映画のようなお話は滅多にないだろうが、他のストリートミュージシャンにはない品を感じるから、生活に困らないだけの余裕はある人なのだろう。そんな彼に悩みがあるなんてちょっと想像がつかなかっただけに、軽い驚きがあったのだ。 どんな人でも、多かれ少なかれ悩みを抱えながら生きているのだ。そう思うと、僕も多少の悩みに負けずに頑張ろうと自分を励ました。
 | 友人の演奏場所近くのサンベント教会。まだ6時過ぎだというのにもうこの暗さ |
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