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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
6・25 住みづらいサンパウロ [画像を表示]

6・25 住みづらいサンパウロ (2015/06/25) 朝6時、黒人が1m半ほどの重そうな鉄棒を持って、聞きなれない言葉をブツブツ吐き出しながら、檻の中のクマのように歩道をあっちにいったりこっちにいったりしている。
 あの鉄棒で頭を叩かれたらきっと陥没するだろう。横を通り過ぎるのさえも恐怖を覚える。一瞬、横を通ろうかどうしようか迷ったが、前から人が来るのを確認して通ることにした。
 サンパウロのセントロは、精神に異常をきたした人がとにかく多い。そのほとんどは路上生活者だ。まるで誰かと話しているようにひたすらベラベラ喋りまくる人、突然大声を上げる人などなど。精神に異常をきたすほど、セントロでの路上生活は厳しいのだろう。眠っている間に身ぐるみはがされたり、いつ暴力を振るわれたりするかわからないので、安心して眠ることができない。テレビのニュースでも寝ている間に、火をつけられたり、袋叩きにされたりする事件がしょちゅう流れている。男性でさえ安心して眠れないのだから、身体を狙って男以上に襲われやすい女性はましてや、であろう。精神的異常をきたしている路上生活女性は、ほんとに多い。
 以前は、襲われないように、犬を引き連れて歩く人が多かったが、最近はあまりみなくなった。犬が、飼い犬に襲いかかったり、通行人に噛みついたりすることが多く、野犬狩りに捕まえられているのだろう。僕も犬の朝の散歩をしていて、4,5匹の犬たちに襲われたことが何度もあった。昼間は路上生活者たちと一緒にいる犬たちも早朝は野犬と化し、群れてゴミを漁っているのだ。この頃は路上生活者たちも、犬たちを縄でつなぐようになった。飼い犬はリードにつなぐことが義務付けられているのだから、自分の犬だと言う認識があるのなら、例え路上生活者と言えども守るべきだ。もっとも一般市民の中にもリードをつけずに歩く迷惑な飼い主がいくらでもいるが・・・。
 以前は、路上生活者は危ないというイメージはなかったが、この頃はクラックなどの麻薬の蔓延で、買う金欲しさに泥棒や強盗をする人が増えた。もう、路上生活者は危なくないとは言えない。それだけに、写真を撮るときには、危なそうな人間がいなか、周囲を見渡して撮るようになった。
 これからますます景気が悪くなるだろうと言われている。失業率が7.5%を越え、今後、路上生活者は一層増えるだろう。冬になり気温もどんどん下がっているだけに、路上生活は大変だ。そうなると治安もいっそう悪くなるだろう。今でさえ危ないのに、さらに生活しづらくなりそうだ。

 
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