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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
6・28 納得の写真 [画像を表示]

6・28 納得の写真 (2015/06/27)  写真を頼まれて、セントロ付近のいろんな所でせっせと写真を撮っている。注文は、サンパウロで撮った明るくて元気の出る写真。
要求に合った写真は、人物を撮るのが一番簡単なのだが、最近、サンパウロ市内では、とにかく肖像権がうるさい。人の写真はモデルを使うか、許可を得て撮るしかない。モデルを使うとなるとお金がいるし、許可がとれても、口約束だけでは危ないのでサインをしてもらう必要が出てくる。サインとなると、相手も考えが変わりお金を要求する場合がある。いろいろ面倒だし、できれば自然な写真を撮りたかったので、人はやめて風景を撮ることに決めた。しかし、これがなかなか難しい。
 以前から僕のお気に入りの場所があった。そこは、ゴムの大木がうっそうと生い茂り、サンパウロとは思えない。早朝には木漏れ日が差し、非常にきれいな所で何度か既に写真を撮っていた。しかし、余分な小道や建物は入らないように撮っていたので写真をみただけでは森の中のように見えた。
雑誌用に縦写真にし、意識して小道も入れた写真を撮りに行った。ただでさえ薄暗いのに、被写体深度を絞りすぎたためにシャッター速度が遅くなってしまった。しっかりカメラを身体に固定し撮ったので大丈夫だと思っていたが、家に帰ってPCで大きくしてみると微妙にブレていた。1枚の写真の画素数が36MもあるD800というカメラで撮ったことも失敗の原因だった。ちょっとでもブレているものは渡せない。がっかりだった。天気の良い日じゃないときれいな木漏れ日は出ない。最近サンパウロは曇りがちだし、諦めかけたが、今日うまく快晴となったので再び撮りに出かけた。
今度は、ブレないように1脚を持っていく。本当は3脚を持っていきたいところだが、大きくてあまりに目立ち過ぎるので諦めた。やはり、強盗は怖い。いろんな場合を考え短めのレンズを3本持っていく。
できれば、もうひとつのポイントとして小さく人を入れたかった。人を入れることで、ぐっとサンパウロらしくなるだろう。しかし、早朝には人がほとんどいない。木漏れ日をとるか人をとるか、考えた末、木漏れ日をとることにした。気に入らなければ、人がいると思われる昼にもう一度撮りに行くことにした。
今度はブレていないか、モニターでよーく確認しながら、明るさ・シャッタースピードを変え何枚か撮り、念のために最後の1枚と思ったときに、青いシャツを着たジョギングのおじさんが小道に入ってきた。あまりに突然のことに驚いたが、この上ないシャッターチャンスである。おじさんがバックの黒に埋もれないように、スポットライトのようにあたる太陽光線の中に入ってくるのを待ち慎重にシャッターを切る。手ごたえあり!
シャッタースピードが13秒分の1とかなり遅かったのでちょっと心配であったが、フォーカスは木に合わせてあったので、走っているおじさんはブレぶれても問題がない。おじさんが写真にしめる割合は数%しかないので顔もわからない。その上、走っているのでブレている。問題ないだろう。

 今日は、考え通りの納得いく写真が撮れたので朝から気分がいい!

27.jpg
ゴムノキの林。おそらく、日本で観葉植物として栽培されているインドゴムノキ


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