8・9 サンパウロの美術展 (2015/08/09)
ルス駅と道を挟んで隣にあるピナコテッカ美術館を久々に訪れる。新聞広告に載っていた1枚の絵が気にかかったからだ。今、ブリタニア・コレクションの絵画展がやっている。 僕には全然絵のことなど解らないから、「いいな」「悪いな」だけである。その気にかかる絵をオリジナルで見たくなった。天気もよく午前中は初夏のような爽快さだったこと、土曜日は美術館が無料観覧できる日ので、午前中ふらりと出かけた。 展示されていたのは17~20世紀の風景を中心とした絵画であった。「いいな」と感じる絵が多かった。面白かったのは、僕だったら絶対写真をとらないような平凡な風景を描いている絵が意外に多かったことだ。写真と違い絵は完成するまで多大な時間と労力を費やす。それにもかかわらず、描いたのは画家が、その何の変哲もない風景に何かをみいだしたからだろう。それは何なのだろう。もう一度行ってみる価値がありそうだ。 Sir John Everett Milliaisが描いた The Vale of Rest という絵がなんとも印象的だった。墓堀をしている二人のシスターを描いたもので、腰を下ろして休んでいる一人がじっとこちらをみているのだ。その眼は強烈なエネルギーを放っているようでずっと脳裏に残った。持って帰ったパンフレットを見るとその絵が載っていた。それで名前や作者をここに書くことができたのだ。やはり、いい絵は、それだけのエネルギーを放っていて万人に受け入れられるのだろう。 僕を美術館に誘ってくれた絵は、それまでにたくさんの絵を見過ぎて僕の感覚が鈍くなっていたのか、最初にみたときほどの感動はなかった。それでも色使いといい、力強さといい、惹かれものがあった。(James Dickson Inns作「Arenig,North Wales」) サンパウロでは世界中の美術品や舞踊や音楽などの芸術を、安く見ることができる点は本当にありがたい。しかし、TVなどで宣伝すると、見なきゃ損とばかりに、それこそ怒涛のように人が訪れるので、有名な芸術家の展示会などは数時間待ちになってしまう。何時間待ってでも見るというような根性は、僕にはないので、結局は「観たいなー」と思いながら指をくわえているだけのことが多い。
 | ピナコテッカ美術館は、特別展は撮影禁止だが、常設展はフラッシュをたかなければ撮影が許可されている。この辺の気軽さがうれしい |
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