8・14 自分の中の日本とブラジル (2015/08/14)
アパートのエレベーターに乗っていると、小柄なおばあちゃんと付添人らしき女性が乗り込んできた。 「あなたは何処の人なの?」しわがれ声でおばあちゃんが尋ねてきた。 「日本です」 「私は日本が大好きなの。もう、2回もいったのよ。いい国よね~」 見た目はかなりよぼよぼであるから、80歳は言っているように思う。歳を取りすぎると長旅は大変だから日本に行ったのは10年~20年前ではなかろうか? 今でこそ、日本に観光にいくブラジル人もいるがこの頃日本に行ったとなると、さぞかしお金持ちなのだろう。そう思って彼女を見るとなんとなく品を感じる。 去年はコリンチャンスの試合が日本であり3万人ちかいブラジル人が日本に行ったし、ここ数年、円安ということもありブラジル人も日本に行ったことがあると言う人が随分増えた。日本に行ったほとんどのブラジル人が「日本はいい国だね。安全だし、人は礼儀正しいし、きれいだし・・・」と褒めてくれる。 日本がほめられると、自分のことのように嬉しい。やはり自分にとって、日本は祖国であり、心の拠り所なのである。そんな自分に、つくづく自分は日本人だな~、と思う。 日本で「ブラジルはいい所ね」と言われると、同様に嬉しい。ブラジルにいるときは、ブラジル人の嫌な所が目に付き、「まったくブラジル人は・・・・」と腹立たしく思うこともしばしばであるが、自分の中では気が付かないうちに、ブラジルは第2の祖国になっているのだ。治安といい物価といい、利己的な国民性といい、おそらく世界でも有数の住みづらい国だとは思うが、もう半分以上は気持ちも肉体もブラジル人になっているのかもしれない。
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