移民百年祭 Site map 移民史 翻訳
南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
9・8 日本とブラジルの「貧」 [画像を表示]

9・8 日本とブラジルの「貧」 (2015/09/08)  独立記念日で月曜日は、お休み。天候も雨が降ったり止んだりの天気で外に出る気にもならない。知人にもらったDVDを見る。日本のドラマ「oh my dad」「woman」。どちらのドラマにも共通することは「貧しい生活をしいられながらも頑張って生きていく姿」、である。どちらも面白く、どっぷりひたって時には涙しながらみた。
 僕が日本に住んでた90年代までは、貧しい生活をテーマとするドラマはほとんどなかったような気がする。サイトのニュースや新聞で、今の日本は貧富の差が広がっていると言う事は知っていたが、ドラマにまで扱われるようになったということは、恐らく普通に貧しい生活を強いられている人がいるということであろう? 
 日本の人々は、ブラジルの人々に比べるとずっと恵まれている、と思っていたが必ずしもそうではないのだな、思ってしまった。日本は貧しい人々が増えてきたと言え、ブラジルに比べると、比率的にも少ないだろう。そういう意味においては、日本での貧しい生活は、周囲の目や、いじめなどいろいろ大変だろう。貧しい生活はブラジルの方が楽かもしれない。なにしろ、貧しい人々は周りを見ればいくらでもいるのだから。たとえば、コミュニダージ(貧民街)では、きちんとした仕事についている人の方が珍しい。ボランティアの助けや食料品の差し入れで皆やっと生きている。それでもコミュニダージの中では貧しいことを恥じることもないし、皆が助け合ってなんとかかんとか生きている。ちょうど江戸時代の長屋のようだ。
 コミュニダージの子供達は裸足で朝から晩まで屋外で遊びまわり、ある意味幸せだ。一方、中流以上の子供たちは、誘拐などを恐れて、アパート内や決まった場所の中でしか遊べない。何度かコミュニダージに通い人々を見てきたが、自由がある反面、住民は激しい「貧」に喘いでいることは確かだ。それでも、それほど落ち込まず生きていけるのは、ラテン的な楽天的な性格と、自分以下の生活レベルの人がいくらでもいるし、道徳意識が日本人ほど強くないから軽い気持ちで犯罪に手を染めることができる人が多いからだろう。
 お金持ちにならなくても(なれないが・・)ごく普通の生活ができればそれで十分だ。しかし、それさえもなかなか難しい

DSC_0017.jpg
コミュニダージの生活は、まるで江戸時代の長屋生活。しかしお互いの信頼関係はほとんど無い


前のページへ / 上へ / 次のページへ

楮佐古晶章 :  
E-mail: Click here
© Copyright 2024 楮佐古晶章. All rights reserved.