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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
9・9街路樹の死 [画像を表示]

9・9街路樹の死 (2015/09/09) 昨夜、あまりに風が吹くのでベランダに置いているモノを部屋に退避させた。もし何かが吹き飛びでもしたら、22階だけに大変なことになることを恐れたのだ。
 今朝おきると、未だに曇っていて、今にも雨が降りそうであった。先週の土曜日から散歩に行っていないので犬たちも行こう行こうと鳴いてけしかける。ちょっと面倒くさかったが奮起して散歩にでかけた。街路樹が並んでいる場所では木くずや枝が落ちていて、昨夜の風の強さが想像できた。そのままずんずん進み、ジョンメンデス広場に出た。
「えっ」思わず声が出てしまった。教会前の僕のお気に入りの樹が倒れているのだ。枝がこんもりと茂り、日差しが強いときには、休むのに格好の日陰をつくってくれ、誰か彼かがいつも休んでいた。
「ほとんど根がないよ」倒れた木を見ていたおじさんが声をあげた。
彼の言うように地面から上の部分に比して、ほとんど根がなかった。昨夜の暴風雨で市内の約60本の街路樹が倒れたそうである。
 あんなに生き生きと枝を広げていた枝葉は、路上に放置された単なる大きなゴミと化してしまっていた。軽いショックを覚えた。あまりにもあっさりとした、その木の死に、ブラジルに住む人間の死が投影した。この木は、たった一夜の暴風雨にいとも簡単に倒されてしまったが、ブラジルにすむ人々も、交通事故や犯罪に巻き込まれ、いとも簡単に死んでいく。その軽さが悲しい。
 ちなみにWHO世界保健統計2015年版2013年のデーターで、ブラジルの死亡率は成人男性(15~60歳)死亡率1000人中197人で、世界194か国中87位になる。実際はもっともっと高いような感じがするのだがどうだろう? 州や都市によってかなりばらつきがありそうだ。
平均寿命は、194か国中ブラジルは68番目で75歳、意外に高い。ブラジル社会も老人社会になっていくことを考えると、社会保障がほとんどないだけに老後が恐ろしい。

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倒れた街路樹。右は道路清掃人


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