9・18 飢えた目 (2015/09/18)
2連結のバスの廊下を、超ミニスカートの、大柄な女性2人が歩いてきた。大柄な体格と、化粧をしたケバイ顔から、てっきりトラベスチ(性転換者)かと思っていた。ちょうど僕の立っているすぐ前の席に座ったので、何気なく見ていた。 手がでかくてごつい。やっぱりトラベスチだと思っていると、二人が喋りはじめた。な、なんとその声は女性だった。いくら女性そっくりの美形のトラベスチでも男のガラガラ声はなかなか直せない。僕の予想に反して彼女らは立派な女性だったのである。しかし、このケバさとミニスカートは、普通の同年代の女性が日中からする恰好ではない。もしかしたらモデルの卵かもしれないが、おそらく夜の女性だろう。ホテルで客と夜をあかし住処に帰る途中なのかもしれない。 ミニスカートと化粧のうえに彼女らが美形と言う事もあり、かなり目立つ。二人の青年が涎を垂らさんばかりに、ギラギラした目つきでなめまわすように見つめ、ゆっくりと通り過ぎて行った。男の僕でも飢えたギラギラする彼らの目つきは怖かった。しかし2人の女性は全く気にする様子がない。見られることに慣れているのか? 鈍感なのか? おそらくブラジルでは飢えた目つきで見られることはいつもあることなのだろう。つくづく女性でなくて良かったと思う。
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