12・7 今日このごろ (2015/12/07)
この頃、ブラジル人から小さな子供の誕生日パーティの写真を頼まれることが増えてきた。以前は、こういった写真はあまりとりたくなかったが、自身の経済状態がどんどん悪化するにつれ、写真を撮ってお金がもらえることはありがたいことだ、と思えるようになってきた。とにかく、今は頼まれればなんでも撮る。家族写真、カタログ写真、事務所の宣伝用写真、パーティ写真、風景写真、日本の雑誌社・新聞社からの撮影・・・・。こうした仕事に追われ、自分の写真を撮れなくならないように気を付けている。 いろんな写真を撮らなければいけないので経験は増えてきたが、その反面ますます写真の難しさがわかってきた。撮れば撮るほど難しくなって来る感じである。 ブラジルの小さな子供たちはたいてい写真を撮られることを嫌う。僕は子供が苦手だから納得いく写真を撮るのが本当に難しい。最初は気を引くようなことをしたり、言ったりしていたが、この頃は無理に気を引くようなことはしない。子供達もその方が良いようだ。あまりしつこくせず、さっと撮る。サンパウロでは、寄って人を撮るのは難しい(ブラジル人は肖像権に対して煩い)がパーティなどでは好きなだけ撮れるのでありがたい。だから人の写真を撮るトレーニングにちょうどいい。ただ、気に入ってもらえるような写真を撮るように心がけるので、つい表情の良い写真ばかりを撮るようになってしまう。それが癖にならないように気を付けている。 事務所の紹介写真での人物を撮影はモデル写真を撮るのとほぼ同じ感覚だ。素人だから写真を撮られ慣れていないし、自分のチャームポイント、自分の表情をしらない分プロのモデルを撮るより難しい。それだけに表情を作っていくのは面白い。 お金をもらっているから、決して失敗は許されないし、手を抜けない。こういった経験が自分の作品づくりにも生きてきはじめているように思う。 若いころは貧しくてもさほど貧しさを感じなかったが、生活していく難しさを感じる今日この頃である。
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