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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
3・2 薬

3・2 薬 (2016/03/02)  朝、息子から事務所に電話がかかってきた。さっき会っていたばかりなのにどうしたのだろう、と思いながら電話に出ると「さくら(雌犬)がおかしい」という。ついさっきまで、元気でおかしな様子はなかったので、それほど心配はしていなかった。それでもすぐ見に行くと、さくらの顔が腫れあがっている。あまりの変貌に驚いた。ショックに写真を撮ることさえも忘れていた。
 昔、アズミ(事務所にいる雌犬ダックスフンド)も散歩中に何か食べたようで体がボコボコになったことがあったが、顔は腫れなかった。さくらの腫れは凄まじく、目もつぶれんばかりになっている。何か床に落ちたものを食べてアレルギーを起こしたのだろう。
 とりあえず、人間の幼児用の反アレルギー用の薬は半分やり、家のすぐ近くのペットショップに走った。アレルギーに利く薬はないか、と聞くと、獣医の診察をしないと売れないという。人間の薬もそうだが、最近、医者の処方箋がないと、おうての薬局では薬を売ってくれなくなった。一度、処方箋の期限が1日切れ、どこも売ってくれなかったことがあった。やっと小さな薬局で頼みに頼んでやっと売ってもらった。翌日に歯のインプラント手術があり、どうしても薬が必要だったのだ。期限のことを見もしなかった僕が悪いのだが、あの時の薬局の対応には腹が立った。おそらく、患者が勝手に薬を買って間違った飲用を防ぐためだろうが、あくまでそれはいい訳で、医者が金を稼ぐために政治家とつるんでいるような気がしてならない。今、どこの公共病院に行っても5,6時間も待たされ、診察も受けられないこともあるのだから、当然処方箋ももらえない。サイトなどで病気や原因がわかっていても、痛みを抑えたり、治療をしたりするための薬を買うこともできない。私立病院に行って高い金をはらって診察してもらえ、ということだろう。金のない貧乏人はヘタをすると、痛みや治療のための薬さえ飲むこともできないことになる。自分が勝手に飲むのだから、ほっておいてくれ、と言いたい。おそらくそういうと、薬を麻薬として使う人もいるから・・・、なんていう医者もいるだろう。
 その時(薬局で薬を買えなかった)のことが頭をよぎりむっとし、「薬を売ってくれるペットショップを探す」と言って家に帰った。喉が腫れて、息ができなくなる可能性もあり危険なことはわかっていたが、このペットショップの販売人のいう通りに診察を受けたうえで薬を買う気にもならなかった。家に帰ってさくらの顔を見ると、だいぶん腫れが引いていた。おそらく、人間の幼児用の薬が効いたのだろう。それから腫れはどんどん引いていき、ほぼ完治した。
 人間も犬も、病気なっても医者の診察を受ける金がないと、薬も満足に買えない。自分の体だから何を飲もうと勝手にさせてくれ! と言いたい。


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