4・6 写真撮ったでしょ! (2016/04/15)
「ちょっと聞きたいんだけど」 セ広場で写真を撮っているときに太ったおばさんが声をかけてきた。 てっきり道を尋ねてきたものと思った。しかし彼女の言葉は思いもよらぬものだった。 「私を撮ったでしょう。写真見せて!」 「はーっ???・・・・・」 最初言っている意味が解らなかった。見たこともないおばさんだしし、まして知り合いでもない。 「私を撮ったでしょ!!」 彼女を撮った覚え、いや見た覚えもまったくなかった。しかし、もしかしたら撮った写真の片隅に写っているかもしれない。 「知らないよ」 「写真をみせてよ」 彼女に撮った写真を見せる気などさらさらなかった。こんな危ないところ(セ広場はスリが多いことで有名だし、7時を越え、薄暗くなっていた)でカメラを人の目にさらす気なんてなかったし、この女も信用できなかった。これまで、僕の友人や息子が、時間を聞くふりをして寄ってきた男が強盗に変身し襲われたり、路上生活者に小銭をあげようとして財布を出したところを財布ごと盗まれたりした、という話を聞いていた。たとえ、おばさんと言えども信用していなかった。僕自身も人混みの中で数回おばさんにカメラをぬすまれそうになったこともある。知らないブラジル人は、女子供でも決して信用しない。 「知らない」なんて言ったことがダメだと気づき、「撮ってない」と言い切った。それでもうるさいので「写真はみせないよ。もし、自分が映った写真をみたら、訴えればいいだろう。全然かまわないよ!!」と言い切るとぶつぶついいながら引き上げていった。 今までにも風景写真を撮っていて、ブラジルと日本を含め3人に「写真を撮っただろう」といちゃもんをつけられたことがある。後で写真を見ると、面白いことに3人とも一切写っていない。もちろん、このおばさんも写っていなかった。だいたい観光スポットで写真を撮ることは普通だし、皆撮っている。知らない人を大写しで撮るときはたいてい許可を取って撮るから問題になったことはない。(もっともよっぽど気に入ったシーンに出くわした時などはこっそり撮ることもあるが・・・。そういう時はわからないように撮る) これらの3人はよっぽど被害妄想が強いのか? カメラを出したところを横から仲間がひったくる泥棒グループか? あるいはいちゃもんをつけて金をむしり取ろうとする詐欺師か? の可能性が強い。もし、僕と同じように写真を撮っただろうといちゃもんをつけられてもカメラに入ったイメージは見せない方がよいと思う。カメラをひったくられる可能性は大である。もし警官が近くにいれば警官に見てもらうのが良い。ブラジル人は決して信用できない。それは警官でも身内でも。 「自分は、妻(ブラジル人)も信用しない。娘しか信用しないよ」と言い切った知人のことを思い出し、最近、納得した。
 | 撮った写真。どこを探しても声をかけてきたようなおばさんはいない |
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