5・17 暴風雨 (2016/05/16)
毒々しい朝やけといい早朝から変な感じがあった。まさかこんな荒れた天候になると思わなかった。 日中は、ぽつぽつ雨が降ったり止んだりするような曇り空がずっと続いていた。夕の写真散歩にアパートを出たところでまたぽつぽつ降り始めたので、引き返そうか、と一瞬迷った。日中、それほど大降りになることがなかったので、こういう天気の写真も面白いと、と思い散歩に出た。ただ、妙に生暖かい空気が気にかかった。 はじめは、家の近くで帰るつもりだったが、ついつい足が進んでしまい、雨のセ広場もいいな、と思い、ついセ広場まで足を延ばしてしまった。これがまずかった。雨はぽつぽつから、ザーッ直前くらいにまでなった。それでもまだ歩くのにはさほど問題なかったので、そのままアパートに足を向けた。このときどこかで様子見で雨宿りするのが良かったかもしれない。 23・デ・マイオの陸橋にきたところでザーッと降り始めたので足を速めた。そして、もう渡り終えるところで、雹が降り始め、雨は横降りの暴風雨になった。白いものが道を転がっているので見ると、親指の爪ほどの雹であった。後頭部に当たると結構痛い。 初めは左からの風だったので、そちらの方に傘を向けると、今度は右からも風が吹いてきた。身体はもうびしょびしょである。両方から吹いてくる風なんて生まれて初めて体験である。カメラの入ったカバンを抱えるようにして歩く。傘がさせないほどの強い左右の風に途中で電柱の陰で、風が緩くなるのを待とうかと思ったが、電柱の陰にいてもさほど状態は変わらないだろうと思い、なんとか渡り切った。急流のように水が流れる道路を渡り、ビルの軒下にやっと入った。こんな激しい暴風雨を屋外で体験したのは生まれて初めての経験であった。アパートに帰りついた時には靴もズボンもシャツもずぶぬれであったが、カバンに入れたカメラはなんとか無事であった。 この日、時速70キロの暴風が吹きサンパウロ圏で160本の街路樹が倒れ、2人が倒木の下敷きなどになり亡くなったそうだ。無事、家に帰りついてよかった。
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